著訳者紹介


五十嵐蕗子
いがらし・ふきこ

1944年東京都生まれ。1972年早稲田大学博士課程修了。ドイツ語ドイツ文学専攻。非常勤講師を経て、国立音楽大学准教授を最後に2009年退職。訳書に、J. ゼルゲ『女たちは書く――ドイツ・オーストリア・スイス現代女性作家の素顔』(共訳、1991年、三修社)、V. ベンホルト=トムゼン編『女の町フチタン――メキシコの母系制社会』(共訳、1996年、藤原書店)、Cl. v. ヴェールホフ『自然の男性化/性の人工化――近代の「認識の危機」について』(共訳、藤原書店、2003年)、イェルク・ツィンマーマン『フランシス・ベイコン《磔刑》』(共訳、三元社、2006年)、カロリーネ・ヒレ『ハンナ・ヘーヒとラウール・ハウスマン―ベルリン・ダダ物語』(書肆半日閑、2010年)など。(2011年1月現在)

 

[五十嵐蕗子の書籍一覧]

[新装版]ピナ・バウシュ タンツテアターとともに

[著者]ライムント・ホーゲ
[写真]ウリ・ヴァイス
[訳者]五十嵐蕗子

ドイツの革新的ダンスカンパニー、タンツテアター・ウッパタール。2009年に急逝した振付家ピナ・バウシュとダンサーたちの創造の現場とかれらのパーソナリティーをカンパニーのドラマトゥルクがつぶさに語る。カンパニーが独自のスタイルを完成させていった1970・80年代の貴重な記録。舞台と稽古場の写真を多数収録。解説=鴻英良。

定価=本体 2,400円+税
2011年1月31日/四六判並製/200頁/ISBN978-4-88303-271-6



ハンナ・ヘーヒとラウール・ハウスマン
ベルリン・ダダ物語

[発行]書肆半日閑 
[発売]三元社

[著者]カロリーネ・ヒレ
[訳者]五十嵐蕗子

第一次大戦後の荒廃の只中に、世界を一新すべくスイスのチューリヒに誕生したダダ。その運動はパリよりも早くベルリンに根づいた。ヒュルンゼンベック、ゲオルゲ・グロス、ジョン・ハートフィールドらダダ綺羅ぼし星雲のなかで、フォトモンダージュを駆使し、誰よりもダダの理論を進化させたのがハンナ・ヘーヒとラウール・ハウスマンであった。ふたりは身をもってダダを体現したばかりでなく、互いに心を通じ合わせ、その不遇の愛はベルリン・ダダとともに始まり、その愛の終わりはダダの終焉そのものであった。ふたりの交流と戦いを通して、ベルリン・ダダイストの群像と活動をあますところなく描く。

定価=本体 2,800円+税
2010年6月15日/
四六判上製/296頁+カラー口絵6頁/ISBN978-4-88303-268-6

作品とコンテクスト
フランシス・ベイコン《磔刑》
暴力的な現実にたいする新しい見方

[著者]イェルク・ツィンマーマン
[訳者]五十嵐蕗子+五十嵐賢一

ぼくの作品が暴力的だと人から言われると、ときどき思うんだ。
ひょっとすると、これでベールとかスクリーンを1枚か2枚ははぐことができたかなとね。

(デイヴィッド・シルヴェスターとの対話におけるフランシス・ベイコンの言葉)

暴力に晒され、暴力に苛まれる人間の姿を描き続けた20世紀絵画の巨匠フランシス・ベイコン。ナチスによる残虐行為をテーマに潜ませたこの絵を、ドイツ人である著者が詳細に腑分けし、画家が切り拓いた「現実にたいする新しい見方」を探り出す。

定価=本体 2,200円+税
2006年2月25日/四六判並製/144頁+カラー折込図版/ISBN978-4-88303-169-6