復讐の社会学
女たちの場合

[著者]ウルズラ・リヒター
[訳者]岩井智子

女たちの復讐はさげすまれ、男たちの復讐は英雄的とされる。しかし、女たちこそ、傷ついた威信の回復と正当性の修復のために、復讐を必要としている。だからこそ、女達の復讐は男たちを恐れさせる。

定価=本体 2,400円+税
1997年7月25日/四六判並製/231頁/ISBN978-4-88303-043-9



[目次]
序言7
テーマへの導入 9

第1章 女たちの復讐――女は隠す。男は女を恐れる 13
     1 復讐はつねに「他人」によってのみ行われる 14
     2 女の復讐 20
     3 オリエント急行での平手打ち 23
     4 男の復讐 26

第2章 復讐への挑発 31
     1 尊敬を受ける権利 32
     2 善行の重荷 41
     3 言葉の強さ 47
     4 女性の抵抗 51
     5 復讐は攻撃ではなく、リアクションである 55

第3章 挑発に対する返答 59
     1 復讐の形は文化的規範や価値の一部である 60
     2 女たちの復讐――典型的な例 60
          拒絶された女の品位のある復讐 61
          裏切られた妻の復讐 63
          魔術による復讐 66
          娘に対する母の復讐 68
          利用された女の復讐 71
          復讐としての病気 73
          名誉を持たない女の復讐 75
          破壊された自己イメージ 77
          「女としての」復讐 84
          「報復しない」復讐 86
     3 他の女に対して 88

第4章 社会的な背景のなかの復讐 93
     1 復讐好きな女の典型94
     2 復讐する女はヒロインにはなれない。なぜマザー・テレサやロビン・フッドは復讐狂と言われないのか 103
     3 女性の名誉 109
     4 失われた名誉 114
     5 決闘 122
     6 神の裁き 132
     7 復讐、法と正義 138
     8 復讐と宗教 151
     9 「運命による復讐」の秘密 162
     10 魔術と迷信 167
     11 復讐の女神と戦の乙女:神話のなかの復讐 176

第5章 心理学的な観点 195
     1 依存が直接の復讐を妨げている 196
          自分が積みを負う不安 202
          自分自身にむけた復讐 204
          見捨てられ、愛を失う不安 207
     2 公の対決 210
          ひそかな復讐に別れを告げる 210
          すすんで赦すこと 217
          傷つくことから自分を守る 219

おわりに 復讐を扱う商売および別の考え方 222

謝辞 225
訳者あとがき 226


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