[目次]
[論文]
はじめに 本論文の主旨と目的
第1部 作品の創造過程とその実現が意味するもの
第1章 作品創造の過程と未完成の問題の提起
序
第1節 創造過程の二つの型とその内容
(1) 全体の概要
(2) 第一の段階―心中の形成から先形成へ
(3) 第二の段階―作品化の過程
第2節 未完成に至る要因の一般的考察
(1) 「心のイメージ」と制作の分裂から
(2) 主観と客観の変転性から
総括
第2章 作品実現における問題性――特に視覚と空間との関係から
第1節 視覚の形成過程と描画形成過程との比較検証
――先天性盲人の開眼手術後の臨床例を手がかりとして
(1) 導入
(2) 先天盲の開眼後の視覚形成過程
(3) 描画形成過程とその帰着点の考察
a 考察の指針
b 描画形成過程の検証
c 一枚の作品の描き始めから完成までの描画形成過程の検証
第2節 「奥行」と「空間」についての考察
(1) バークリにおける「奥行」
(2) 「空間」概念の哲学的変遷
(3) 絵画における空間表現の変遷
総括
第3章 バルザックの『知られざる傑作』に 提示された作品実現の意味するもの
序
第1節 〈実現〉を妨げる様々な問題点
第2節 ロマン主義的観点からみた「空間」および「輪郭線」
第3節 ロマン主義的視点からの「生」と「死」の問題
総括
第4章 バルザックの理念の展開 ―― P・セザンヌの晩年における〈実現〉の問題についての考察
序
第1節 セザンヌの晩年の絵画における〈実現〉
(1) セザンヌの手紙から
(2) セザンヌ以前の〈実現〉概念の検証
(3) セザンヌにおける〈実現〉
第2節 セザンヌにおける〈実現〉の主題と方法
(1) 何を〈実現〉したかったのか
(2) 〈実現〉における〈感覚〉の問題
(3) 〈実現〉の主題としての〈進歩〉
第3節 セザンヌにおける〈実現〉のための描画上の特徴
(1) 制作上の諸問題の提起
(2) 水平線と垂直線および青系統の色彩
(3) セザンヌにおける輪郭線
総括
第2部 アルベルト・ジャコメッティにみられる 〈実現〉の問題性についての考察
第1章 レアリテとの再会 ――アルベルト・ジャコメッティの一九三〇年代から
序
第1節 第二期の始まりとしての一九三五年
第2節 「幕」の問題の深遠化へ 一九三六年から三九年にかけて
第3節 〈距離〉の問題の展開 一九三九年から四〇年にかけて
第4節 絵画作品の展開 一九三五年から四〇年にかけて
第5節 一九四〇年以降 新たなる覚醒の時へ
第2章 覚醒の時――アルベルト・ジャコメッティの一九四〇年代
第1節 モンパルナス映画館での覚醒的体験の経緯
第2節 まなざし≠フもつ意味
第3節 彫像の等身大化・巨大化へ
第4節 ジャコメッティにおけるスタイル≠フ問題
第3章 “絶対の類似”を求めて ――アルベルト・ジャコメッティの一九五〇年代
序
第1節 一九五〇年から一九五六年までの考察 絵画作品を中心として
(1) 一九三五年からの変遷の振幅
(2) 一九五六年に至るまでの特に絵画作品の変遷
(3) ジャコメッティとモデルとの「どこに(ou)」の問題へ
(4) 位置設定と枠どり(encadrement)≠フ問題
(5) 一九五〇年から一九五六年までの総括
第2節 一九五六年の矢内原伊作との仕事をめぐって
(1) 転換期としての一九五六年
(2) 矢内原との制作過程にみられる特質
(3) 矢内原のケースに認められる制作の目的とその方法
(4) 進歩≠フ実現へ
第4章 〈実現〉の意味するもの ――アルベルト・ジャコメッティの晩年
序
第1節 「最後のスタイル」
第2節 最後の年々
第3節 一九三五年以降のジャコメッティの〈実現〉の問題についての総括
結論
あとがき
謝辞
註
解説 制作学的知性のために(谷川渥)
[カタログレゾネ]
自己作品論
カタログレゾネ 小澤基弘 1986-2001
解説 関係性の絵画(谷川渥)
小澤基弘 作家活動歴
小澤基弘 著作業績一覧 |