[目次]
序論 9
1 問題意識と課題 9
2 先行研究について 12
3 問題点の整理 18
4 本書の構成と研究の特色 20
序章 生い立ちと思想形成 23
第1節 家と生い立ち 25
1 岡家の歴史 25
2 「家格」と主体意識の形成 26
第2節 精神的巡礼としての旅 29
1 江戸遊学と国学への転回 30
2 「焚詩」の象徴的な意味 36
3 青年から中年にかけての旅 41
4 平田門への入門事件 50
第3節 学問と教養の基礎 55
1 岡家の蔵書目録 55
2 引用書目録 59
第4節 生涯の時期区分 64
むすび 65
第1章 『兵制新書』の研究(一) 成立背景と作品構造を中心に 67
第1節 成立背景と著述動機 「ツ録」との関連について 70
1 兵学思想受容の方法 70
2 「家格」の復旧を求めて 74
第2節 『兵制新書』の構造 「幽」・「顕」、「正」・「奇」について 77
1 「幽」と「顕」 79
2 「正」と「奇」 81
むすび 88
第2章 『兵制新書』の研究(二) 政治思想を中心に 89
第1節 現状認識と郷村改革 「神随なる大道」と現実の乖離 92
1 同時代状況の認識 92
2 庄屋制度の改革 96
3 郷村行政の改革 102
第2節 「教化」論 倫理秩序の再建 106
1 「忠」・「孝」 106
2 「教化」 110
3 「君上たる人」の心得 116
4 「修身」・「斉家」 120
5 「幽府の刑罰」 123
第3節 「制度」論 「封建」と「郡県」 126
1 キー・ワードとしての「封建」 126
2 「意見十二箇条」の再解釈 128
3 「国郡境界」論 136
むすび 143
第3章 『兵制新書』の研究(三) 兵制論を中心に 147
第1節 戚継光の兵学とその影響 近世東アジアにおける「戚法」 149
1 「戚法」の誕生 149
2 「壬辰丁酉倭乱」における「戚法」 151
3 「戚法」と『ツ録』 152
第2節 古代兵制と中国兵学との間 明代兵書受容の態度 155
1 古代兵制の特徴 155
2 中国兵学の受容におけるジレンマ 159
3 「古今戦法」の変化 163
第3節 新しい兵制の構想 「戚法」から脱身分制志向へ 168
1 操練の法 168
2 武器の選用 172
3 選兵と身分制 176
むすび 180
第4章 岡熊臣の「淫祀」観 「淫祀」論批判を中心に 185
第1節 問題の所在 「淫祀」批判の新しい読み方を目指して 189
1 「淫祀解除」とは何か 189
2 「淫祀」論批判はいかに読むべきか 191
第2節 「淫祀」への態度 岡熊臣と岩政信比古(1) 194
1 山県太華の「淫祀考」をめぐって 194
2 近藤芳樹の「淫祀論」をめぐって 198
3 岩政信比古の態度 207
第3節 吉田神道との関係 下級神職をめぐる社会関係 213
1 吉田家の神職支配 214
2 岡熊臣の吉田神道観 219
第4節 下級神職への態度 岡熊臣と岩政信比古(2) 225
1 岡熊臣の場合 225
2 岩政信比古の場合 226
むすび 231
第5章 「廃学」と晩年の公的活動 津和野藩学への参画を中心に 235
第1節 「廃学」をめぐって 「物学びする」者の情念 236
1 後期国学の政治志向 236
2 「廃学」の意味 238
3 「廃学」の背景 244
第2節 藩学への参画 その背景と活動の内容 246
1 養老館の教学改革 246
2 養老館での教学活動 248
3 終末 252
むすび 254
終章 255
1 結論 256
2 今後の課題 264
注釈 267
あとがき 289
付録 291
岡熊臣年譜 292
著作活動年表 310
『兵制新書』目次対照表 313
参考文献 334
索引 343 |