英語現場
〈使える英語〉イナリンガル養成へ

[著者]鈴木康雄

日本語能力100%+英語能力70%=イナリンガル(1・7言語話者)へ
グローバル社会のなかで、日本人が体験する「英語現場」は確実に拡大している。それなのに、日本人の英語力はなぜ停滞しているのか? 大学の英語教育、「国際学生模擬裁判」、フィンランドの英語教育、中英両語で生きる香港、NHK放送―などの「英語現場」を取材し、「使える英語」(English for communication)を身につけた「イナリンガル」養成と環境づくりを提唱する。

定価=本体 2,000円+税
2003年4月20日/四六判並製/180頁/ISBN978-4-88303-116-0



[目次]
第1章 私は「学」のない教授 ――母国語の七割を目標に  7

大統領のコミュニケーション  7
人種と言語能力 14
日本人英語能力のピークは大学入学時 18
なぜ「中曽根メモ帳」なのか? 27

第2章 受験英語の影響 ――医学部英語授業の風景 33

英文をカギカッコでくくる学生 33
英語は「世界でいちばん簡単な言語」か? 37
日本語で「焼きそば」、英語でfried noodle 40
受験英語の呪縛から解き放つ 47
教材は、ホワイトハウスが舞台のコメディ 51
なぜ英語が必要なのか?―問題は学生のモチヴェーション 58

第3章 日本人は英語ができない ――言い訳、それとも認識不足? 69

ナイス・バディが大手を振る大衆社会 69
受験英語と大学英語教育 78
自虐症的な英語できない症候群=@85
「すばらしい大衆社会・日本」と「鎖国国家・日本」 92
「アメリカン・ファクター」と「共通語」(lingua franca) 101

第4章 英語公用語化の前に ――大学英語教育の改善と英語実験都市の創設を 109

「英語公用語化」提唱の真意 109
公用語化の必要条件 113
早急に大学英語教育の改善を 117
「少人数クラス」と「英語による授業」 126
英語実験都市の創設を 134
英語実験都市に住む(ヴァーチャル・ストーリー) 140
函館市の英語インフラ 144

第5章 成果を上げるフィンランドの英語教育 ――インセンティヴと教員教育 147

日本の高校生、藤野君の驚き 147
非印欧フィンランドの健闘の秘密 150
高校卒までに三か国語 154
ラトヴィアの「国語法」 164
その後、藤野君は米国に 170 

第6章 英語環境の整備 ――規制緩和と公的チェック 175

『ヴェニスの商人』と国際司法模擬裁判 175
「英語環境」には規制緩和、自主性尊重が重要 183
英語学習に欠かせぬNHK 190
漢字の人名、地名を原音主義で 200
数年ごとに「新語辞典」の出版を 204
翻訳と「グレシャムの法則」 210
「翻訳チェッカー」制度の導入を 219

注 224
あとがき 241
索引 


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