作品とコンテクスト |
ルンゲ《ヒュルゼンベック家の子どもたち》 |
ロマン主義の芸術作品における無垢なものへの省察について |
[著者]イエルク・トレーガー
[訳者]伊東多佳子
ロマン主義が発見した、無垢ゆえに全能なる「子ども」。
それは我々がかつてあり、また再びなるべきところのもの……
近代ヨーロッパにおける合理性の追求の流れに疑問を持ち、自然であるもの/ことに価値を認めたロマン主義。その時代、「子ども」はそうした自然の力を代表するものとして、あらゆる先天的な叡智の源と見なされるようになる。ロマン主義芸術の基礎を築いた一人、フィーリプ・オットー・ルンゲが描いたこの子どもの絵は、まさにその理念を絵画として結晶させ、内容と形式の一致をなした見事な完成度を持つ作品である。
定価=本体 2,200円+税
2003年12月25日/四六判並製/128頁+カラー折込図版/ISBN978-4-88303-131-3 |