作品とコンテクスト
クラーナハ《ルター》
イメージの模索

[著者]マルティン・ヴァルンケ
[訳者]岡部由紀子

[書評・紹介]
《毎日新聞》「今週の本棚・この3冊」2017年6月4日、「宗教改革」、選者:深井智朗氏

肖像版画の政治的機能
ルターはどのように描かれたのか!?

ルターは自分の肖像画に関心を示さなかった。彼にとっては外に現れた姿より、魂の救済のほうが重要であった。それゆえ彼は親しい知人であるルーカス・クラーナハに、自由に自分の肖像画を描かせた。しかしクラーナハはヴィッテンベルクの宮廷に仕える身であった。宮廷はあらゆる政治的目的のために役立つ、ルターの肖像画を必要としたのである。こうしてそれぞれに異なる、クラーナハによる一連の肖像画が成立した。そしてこれらの肖像画が、宗教改革者の「イメージ」をつくり出していったのである。

定価=本体 2,000円+税
2006年10月20日四六判並製/124頁+カラー折込図版/ISBN978-4-88303-147-4

※本書は、1995年に小社から刊行された同書のカバーデザインを新しくしたものです。


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[目次]

第1章 クラーナハの前に準備されていたもの 5
第2章 クラーナハの最初の構想 17
第3章 多くの顔を持つルター 51
第4章 ルターのイメージをつくった人びと 79

訳者解説 91
注 111
参考文献 114
クラーナハの生涯に関する年表 117
図版リスト 119


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