[著者]マルティン・ヴァルンケ [書評・紹介] 肖像版画の政治的機能 ルターは自分の肖像画に関心を示さなかった。彼にとっては外に現れた姿より、魂の救済のほうが重要であった。それゆえ彼は親しい知人であるルーカス・クラーナハに、自由に自分の肖像画を描かせた。しかしクラーナハはヴィッテンベルクの宮廷に仕える身であった。宮廷はあらゆる政治的目的のために役立つ、ルターの肖像画を必要としたのである。こうしてそれぞれに異なる、クラーナハによる一連の肖像画が成立した。そしてこれらの肖像画が、宗教改革者の「イメージ」をつくり出していったのである。 定価=本体 2,000円+税 ※本書は、1995年に小社から刊行された同書のカバーデザインを新しくしたものです。 |
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[目次] 第1章 クラーナハの前に準備されていたもの 5 訳者解説 91 |
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