[目次]
序 7
第1章 マドリードの《三王礼拝》――描き加えられた自画像 17
1 マドリードにおける自作品との再会と描き直し 18
2 変更点の確認 27
3 宗教的象徴の強化 41
4 「諸国の間」のための作品からスペイン国王の作品へ 50
5 描き加えられたルーベンスの自画像 65
6 一六二八年のマドリード訪問以前のルーベンスの外交活動 76
7 外交の手段としての絵画の制作 88
8 一六〇三年のスペイン行と《レルマ公爵騎馬肖像画》 104
9 マドリードにおける《フェリペ四世騎馬肖像画》の制作 118
10 ルーベンスのイメージ 128
第2章 ルーベンスとティツィアーノ――模倣から競作へ 147
1 画家の修業過程における模写と模倣 148
2 一六二八年から二九年のマドリード滞在中のティツィアーノ作品の模写 158
3 《アダムとエヴァ》 171
4 ルーベンスによる《ヴィーナスへの奉献》と《アンドロス島の人々》の制作経緯 195
5 《ヴィーナスへの奉献》 206
6 《アンドロス島の人々》 221
7 《ヴィーナスの祝祭》 243
8 ティツィアーノ作品との競作における男女の愛、および過ちに対する寛容 267
第3章 「マルスとヴィーナス」の説話・寓意とルーベンス ―《戦争の惨禍》をめぐって 281
1 問題の所在 282
2 説話テキストとそのイメージ化の方法 290
3 説話テキストから著しく逸脱した絵画表現の読解 297
4 説話テキストからの逸脱と画家の自由創作 305
5 寓意とその意味の伝達 315
6 ルーベンスの「マルスとヴィーナス」 328
7 晩年の政治活動と諦念 348
あとがき 361
註 1
参考文献一覧 55
人名索引 75
ルーベンス作品の索引 81 |