|         [目次]       序論 多言語主義再考/砂野幸稔 0111 「多言語主義(multilingualism)」という価値 011
 2 「人間」「国民」「国語」 020
 3 多言語主義を再考するために 028
 4 本書の構成 030
 注 041
 第1部 理念と現実の狭間で―ヨーロッパの経験と「多言語主義」を再考する 049第1部 @ ヨーロッパの多言語状況管理の歴史と〈少数言語〉の現実
 第1章 すべての言語は平等である。しかしある言語は、ほかの言語よりさらに平等である
 ―ヨーロッパの「多言語状況/多言語主義(Multilingualism)」と少数言語/佐野 直子 050
 はじめに―フランス的多言語観? 050
 1 ヨーロッパの「エコ言語革命」とヨーロッパ近代の「多言語主義」 053
 2 「第三次エコ言語革命」へ?―「少数言語」の誕生 062
 3 第三次エコ言語革命における「多言語状況」の進展とヨーロッパの「多言語主義」政策 068
 おわりに 074/注 076
 第2章 少数言語として切り取られることは言語多様性保全につながるか
 ―ヨーロッパ最周縁を起点として/寺尾 智史 084
 1 イベリア半島の弱小少数言語の位相―ピレネーを越えれば…… 084
 2 ミランダ語を成立させる眼―「むくつけき田舎なまり」から「ポルトガル唯一の少数言語」へ 088
 3 アラゴン語を葬る眼―「王家の言語」から〈僻地の俚言〉へ 098
 4 まとめにかえて 110
 参考文献 114
 注 115
 第1部 A ヨーロッパ外の多言語状況とヨーロッパ型多言語主義
 第3章 ヨーロッパ発「多言語主義」とアフリカの多言語状況/米田 信子 118
 1 はじめに 118
 2 アフリカの言語政策に見るヨーロッパの影響 119
 3 アフリカにおける母語教育 121
 4 アフリカにおける「多言語主義」の現実 127
 5 ヨーロッパ的視点とのギャップ 132
 6 おわりに 137
 参考文献 139
 注 139
 第4章 パラグアイ―言語政策の移植は可能か/塚原 信行 142
 はじめに 142
 1 カタルーニャ自治州における言語政策の概略 145
 2 パラグアイの言語状況―現在 147
 3 パラグアイの言語状況―歴史 149
 4 ストロエスネル時代から現在まで 152
 5 言語法案作成の経緯 154
 6 言語法における権利と義務 157
 7 移植されたものはなにか? 159
 おわりに 161
 注 162
 第1部 B 少数言語復興運動の経験から
 第5章 少数言語運動とは何か―個人的体験から/原聖 167
 はじめに 167
 1 一九八〇年代、地域的少数言語復興の開始 168
 2 一九九〇年代、多言語主義と言語権 169
 3 二〇〇〇年代、文化的多様性と文化資源 170
 4 うちなあぐちとアイヌ語の復興 172
 5 二〇〇八年の経験 175
 6 研究戦略 182
 注 188
 第2部 社会主義国の「多言語主義」の経験を振り返る 193第2部 @ 旧ソ連の経験と現在
 第6章 ソ連の言語政策―その歩みと特徴/渋谷 謙次郎 194
 1 はじめに 194
 2 若干の諸概念をめぐって 195
 3 ウクライナ化の紆余曲折 197
 4 民族的領土体を持たない少数者 200
 5 中央集権化と言語政策 201
 6 二言語主義 203
 7 国勢調査と母語 206
 8 ペレストロイカと言語法 210
 9 まとめにかえて 210
 注 212
 第7章 ロシア・ブリヤーチアに於ける多言語状況の諸相
 ―ブリヤート標準文章語をめぐる言語政策とその変容/渡邊 日日 215
 1 ロシアの多言語状況の概略史 216
 2 ブリヤート共和国に於ける言語政策の変容とその背景 220
 3 終わりに 235/注 237
 第2部 A 中国―多言語主義の理念の変容と言語支配
 第8章 朝鮮族の二言語使用と中国の多民族政策―中国の萎縮する多言語状況/李守 243
 はじめに 243
 1 朝鮮人の移住と中国の民族政策 246
 2 朝鮮語の構築、言語条例の制定まで 250
 3 中国の双語教育(二言語教育) 255
 むすびに 260
 注 262
 第9章 新疆におけるオイラド・モンゴル人の文字改革問題
 ―オイラドの「モンゴル族」化と文字、書きことばの喪失/フフバートル 266
 はじめに 266
 1 オイラドと新疆のモンゴル人及びその「モンゴル族」化 269
 2 新疆におけるホドム文字の全面的導入とトド文字教育の停止 275
 3 文字改革の成果と問題をめぐる両論の主張 284
 4 難航する文字改革推進についての複雑な思い
 ―新疆ウイグル自治区民族語文文字工作委員会バルジャーへのインタビュー 291
 おわりに 298
 参考文献 303
 注 304
 第3部 アジアの多民族・多言語国家の経験 309第3部 @ インド亜大陸の多文字・多言語状況
 第10章 インド近現代における文字論争―多言語・多文字・限定識字社会の歴史経験/藤井 毅 310
 0 はじめに―問題の設定 310
 1 一九世紀前半における言語と文字 315
 2 一九世紀後半の言語・文字論争 330
 3 二〇世紀前半の文字問題―文字圏構想の可能性 335
 4 独立運動における言語と文字 345
 5 二〇世紀のローマ字論―進歩性と科学性の象徴 351
 6 政府と言語運動団体による文字改良と統一文字創出の試み 356
 まとめにかえて―二一世紀における文字問題 362/文献目録 365/注 371
 第11章 ネパール領ビャンスのランを巡る言語状況の変遷と文字使用の諸相/名和 克郎 379
 1 はじめに 379
 2 「伝統的」多言語使用 380
 3 国境と書記言語(1)―二〇世紀中葉まで 383
 4 国境と書記言語(2)―二〇世紀後半以降 385
 5 文字使用 388
 6 ラン語を書く 393
 7 おわりに 399
 引用文献 402
 注 403
 第3部 A インドネシアにおけるインドネシア語普及と多言語状況
 第12章 インドネシアにおける多言語状況と「言語政策」/森山 幹弘 407
 はじめに 407
 1 インドネシアにおける多言語状況と言語政策の変遷 411
 2 地方分権化と多言語状況の問題点 415
 3 多言語政策の新たな展開と問題―憲法改正と成立しなかった言語法 420
 おわりに 424/注 426
 第13章 バリ語の政策の変遷と今後の可能性/原 真由子 430
 1 はじめに 430
 2 バリ語の伝統的文字文化 432
 3 オランダ植民地時代のバリ語の政策 436
 4 独立後のバリ語政策 438
 5 バリ語の出版物とマスメディア 454
 6 おわりに 458
 注 459
 第14章 インドネシアにおける少数民族語地域の言語使用と実態―北スラウェシ州の例/内海 敦子 465
 1 概要 465
 2 北スラウェシ州の少数民族言語 468
 3 北スラウェシ州における少数民族の人々の言語使用と言語意識 474
 4 ポスト・スハルト時代における民族語復興―北スラウェシ州の場合 485
 5 民族語の消滅がもたらす社会の変化 490
 6 まとめ 492/注 493
 第3部 B 特異な都市国家シンガポール
 第15章 都市国家シンガポール―英語支配の中の多言語主義/大原 始子 497
 1 はじめに 497
 2 シンガポールの多言語状況―構成民族と諸言語 499
 3 言語政策と言語計画 505
 4 英語支配のもとで 514
 5 まとめにかえて 521
 参考資料 524
 注 524
 第4部 アフリカのオーラルな多言語空間と文字 529第4部 @ オーラルな多言語空間で起こっていること
 第16章 二〇一〇年憲法施行後のケニア都市部の多言語状況/品川 大輔 530
 はじめに 530
 1 ケニアの言語状況の概略 531
 2 言語政策の変遷と新憲法 536
 3 教育現場における言語状況 541
 4 都市的公共圏とKCS 546
 5 ケニア・スワヒリ語の展望 554
 注 556
 第17章 標準語を持たないリンガ・フランカ―ガーナ、アカン語/古閑 恭子 64
 1 はじめに 564
 2 多言語国家ガーナ 565
 3 エリートのシンボルとしての英語 570
 4 アカン語と他部族語およびアカン語諸方言間の関係 573
 5 おわりに―アカン語の未来 588
 参照文献 590
 注 590
 第18章 多言語使用による一言語状態
 ―ウガンダ、ホイマ市における社会言語学的アンケート調査から/梶 茂樹 595
 1 始めに 595
 2 ホイマ市、そしてウガンダ全体の言語状況 596
 3 質問票 599
 4 調査分析―個人例 603
 5 調査結果のまとめ 608
 6 考察 626
 7 終わりに 630
 文献 631
 注 632
 第4部 A 文字化/書記化とは何か
 第19章 ウォライタ語の文字化/書記化をめぐる諸問題/若狭 基道 634
 0 エチオピアおよびウォライタの概要 634
 1 一度目の失敗―ウォガゴダ語事件 636
 2 二度目の失敗―二一世紀のウォライタ語識字運動 642
 3 ウォライタ語文字化/書記化の可能性 650
 4 結び 656
 注 658
 第5部 日本における多言語主義/多言語状況を考える 663第20章 多言語状況はいかにとらえられてきたか―近代日本の言語政策史の視点から/安田 敏朗 664
 1 はじめに―多言語状況と言語政策 664
 2 多言語状況の平面的把握―「図書館」「博物館」としての多言語状況 667
 3 多言語状況の層的把握―「二語併用」としての多言語状況 673
 4 まとめにかえて―「多文化共生」と日本語 682/注 683
 第21章 「言語権」からみた日本の言語問題/木村 護郎クリストフ 687
 1 日本の言語問題への視点としての言語権 687
 2 日本における言語権の受容 689
 3 日本における言語権論の特徴 696
 4 日本の言語問題 703/注 706
 第22章 日本の多言語状況に関するいくつかの研究課題/山下 仁 710
 はじめに 710
 1 単一言語主義の問題 713
 2 多言語主義の問題 719
 3 日本の多言語状況に関するいくつかの研究課題 727
 4 まとめ 739
 注 741
      あとがき/砂野幸稔 745執筆者紹介 750
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