竹村民郎著作集完結記念論集

[編]三元社編集部

竹村民郎(大阪経済大学名誉教授・国際日本文化研究センター共同研究員)は名著『大正文化』『廃娼運動』『関西モダニズム再考』をはじめ、 1920-30 年代における日本のモダニズム研究の嚆矢をなし、社会史・経済史の知の沃野を独自の視点で拓いてきた。日本モダニズム研究の泰斗・竹村民郎の著作集全5巻完結(2015年春)を記念し、気鋭の研究者47人が竹村社会史学の全貌に挑む記念論集。

定価=本体 2,500円+税
2015年12月25日
A5判並製/248頁/ISBN978-4-88303-397-3


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[目次]

学者という職業?/孫江 11
竹村民郎先生の廃娼運動研究と植民地問題/藤永壯 14
周辺にこだわる、反骨のモダニズム論/茂木敏夫 18
不思議なご縁、これも摂理/朝野洋 22
国際社会のアキレス腱――『廃娼運動』とユディトたちの今後/マルクス・リュッターマン 33
「一九世紀末葉日本における海洋帝国構想の諸類型」への比較史の視座からのコメント/玉木俊明 37
交易港・大連の一九二五年
   ――「一九二五年中国東北部で開催された大連勧業博覧会の歴史的考察:
   視聴化された満蒙」(2008)/稲賀繁美 41
孫文大アジア主義演説再考――「東洋=王道」「西洋=覇道」の起源/関智英 45
「テエベス百門の大都」の交響/林正子 52
第2巻『モダニズム日本と世界意識』「『大正文化』の断面」から/原田信男 57
博覧会都市が宿す「空虚なかげり」への積極的視座/小松史生子 61
竹村さんの二冊をめぐって/西原和海 66
竹村史学私註―『大正文化』の位置―/小島亮 70
「対面電話」の来し方行く末/新井菜穂子 76
帝国の光と闇への探求――『竹村民郎著作集T〜X』を読んで感じたこと/劉建輝 82
田端人ふたり/近藤富枝 86
田端文士村/荒井良雄 90
韓流、グラムシ、赤い靴……。/刈部謙一 96
竹村さんと東京下町の話/早川聞多 100
阪神間モダニズムの片隅に生きて――家族の肖像/細川周平 109
100年続いた歌劇団/岩崎徹 113
竹村民郎先生の「阪神間モダニズム論」/宮本又郎 117
「生活」へのまなざし/原宏一 122
阪神間モダニズムとカナモジカイ/安田敏朗 124
阪神間モダニズムの再々考――来し方と行く末/前川洋一郎 129
関西モダニズムと向日町/高木博志 135
『阪神間モダニズム再考』を読んで/瀧井一博 139
半世紀に及ぶおつきあい/村上雅盈 142
『独占と兵器生産』が書かれた時代/伊藤晃 145
「1920年代における天皇制内務官僚の役割について
   ――植民地朝鮮支配に関連して」をめぐって/松田利彦 149
戦後日本社会と植民地主義国家/磯前順一 151
竹村民郎先生へ/鈴木貞美 156
陽明学者安岡正篤論/大谷敏夫 160
安岡正篤の評価をめぐって/斎藤成也 165
竹村史学の思想的出発――天皇主義サンディカリズムの問題に触れて/影浦順子 168
天皇主義サンディカリズムと国家神道/林淳 173
昭和モダニズムの気骨と火花――『竹村民郎著作集』の公刊に寄せて/伊東貴之 178
〈帝国〉時代の戦争とコミュニケーション
  ――竹村民郎「マルクスにおける暴力?―?戦争概念」の余白に/水嶋一憲 183
竹村先生との出会い??古川 誠 187
著作集全5巻―竹村ワールドの展開/田坂和美 192
竹村民郎著作集完結を祝って/庄野満子 196
「国民のための歴史学」を考える――竹村民郎著作集から/井上章一 199
竹村民郎先生の長生を祈る/長田俊樹 203
「大知識人の神話」を読んで/吉田(古川)優貴 207
竹村民郎氏と戦後の民科運動・地団研のこと/金子務 212
偉大なる学問の目利き/牛村圭 217
竹村民郎先生著作集に寄せて/高谷知佳 221
書く女――「戦後日本における文化運動と歴史意識―職場の歴史・個人の
  歴史をつくる運動に関連して」に答える/多田伊織 224

ジュンブライドがやって来た/竹村民郎 229

編集後記/上山純二 242
竹村民郎著作集収録論文 245


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