[目次]
序章 11
ヘンリー・フューズリとはいかなる画家か 11
本書の構成と主旨 24
第一章 物語絵画と十八世紀の美術市場 29
第一節 ロイヤル・アカデミーの年次展覧会 29
ロイヤル・アカデミーの「設立許諾願記」献上に至る経緯 29
ロイヤル・アカデミーの年次展覧会の性質 33
フューズリの出世作《夢魔》 35
第二節 ボイデルのシェイクスピア・ギャラリー 45
第三節 フューズリのミルトン・ギャラリー 49
第二章 物語とキャラクターの理論 55
第一節 「詩的模倣」芸術論 55
「絵は黙せる詩、詩は語る絵」 55
レッシング『ラオコーン』の受容とフューズリの「詩的模倣」 57
「創案」 61
第二節 身体は「建造」される 65
《ボーフォート枢機卿の死》にみられる先行美術作品の引用 65
フューズリの古代ローマ美術研究 70
五ポイント・ドローイング 74
第三節 キャラクターを表象する身体 77
人体プロポーション理論と観相学理論の体系 77
フューズリとラヴァターの観相学 86
ラファエッロのプロポーションの多様性 92
頭部形状とキャラクターの相関性 97
第三章 「劇場は最高の学校」―俳優の演技と物語絵画の「行為」 105
演劇愛好家フューズリ 105
ギャリックによる『マクベス』の「復元」 111
非言語的コミュニケーションの手法を提示したギャリック版『マクベス』 115
機械論的身体観に基づく「自然」な演技 118
演劇の「システム」に対するシャルル・ル・ブラン『感情表現に関する講演』の影響 121
ホガースの演劇画に見られるギャリックの表情と身振り 125
フューズリの絵画と「共感」 130
エマ・ハミルトンの「アティテュード」 132
フューズリの「夢」と時間表現 135
第四章 物語とキャラクターの造形 145
第一節 舞台空間と絵画の動線 145
《グイド・カヴァルカンティの亡霊に出会うテオドーレ》 145
《グイド・カヴァルカンティの亡霊に出会うテオドーレ》の主題と図像の典拠 151
《グイド・カヴァルカンティの亡霊に出会うテオドーレ》の空間の構造 157
フューズリのポルノグラフィ 161
フューズリとサディズム 169
フューズリと演劇 172
フューズリの時代の舞台空間 173
《逃走》の空間 182
《癩病院の幻想》の空間 185
第二節 舞台の特殊効果とキアロスクーロ 190
フューズリのキアロスクーロ 190
『画法講義』にみるキアロスクーロの規範 193
ギャリックが演じた『マクベス』の恐怖表現 197
幻灯機の視覚性に基づく超自然現象の表現 199
アナロジーとしての情景 206
第五章 次世代に継承されたフューズリの画法 209
第一節 次世代の画家に対する『画法講義』の影響 209
第二節 ウィリアム・ブレイクの観相学 214
ブレイクとフューズリ 214
身体の普遍性と多様性 ―ブレイクによるレノルズ批判 220
ブレイクの個展 226
ブレイクの《古代ブリトン人》 231\
第三節 ロマン主義サークル「古代人」 235
第四節 フューズリとラファエル前派の中間世代 240
結語 テプフェールの観相学 249
あとがき 255
註 1
参考文献 18
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