[目次]
第一部 プラトンの模倣論からコウルリッジの創造的イマジネーションまで 15
序章 16
第一章 プラトンの模倣論の背景 ―文字文化との対決 18
序 18
第一節 『ファイドロス』の中心問題 22
第二節 書きもの批判 30
第三節 ソクラテス・プラトンの立場 37
第四節 文字文化批判と模倣論 40
第五節 ソクラテスとプラトン、それぞれの立場 45
a 対話と対話篇 45/
b 物語(ミュートス) 47/ c イデア論 48/ d 空間モデルの心 51
結び 53
第二章 キケロによる模倣論の変容 56
序 56
第一節 問題の所在 57
第二節 『弁論家』へと至る理想の弁論家像 61
第三節 キケロにおける species 64
第四節 『弁論家』(9-10)とベッローリのイデア論 73
結び 86
第三章 ドライデンの発想論 90
序 90
第一節 「絵画と詩との比較」の概要 98
第二節 古典弁論術の詩画論への適用とその改変 102
第三節 「発想」と天分、詩的霊感 106
第四節 『アエネイス』献呈の辞における発想論 114
結び 121
第四章 創造的イマジネーション概念の成立におけるシェイクスピア『夏の夜の夢』の役割 126
序 126
第一節 問題の所在 128
第二節 シェイクスピアの時代までの「ファンタジー」、「イマジネーション」概念史 135
第三節 シェイクスピア自身による「イマジネーション」、「ファンシー」、「ファンタジー」概念 144
第四節 誤解の由来、およびその副産物 152
結び 163
第五章 コウルリッジのイマジネーション論 166
序 166
第一節 コウルリッジのイマジネーション論解釈 168
a イマジネーションとファンシーとの区別、および創造性の問題 168/ b ファンシー 172/
c 第二のイマジネーション 174/ d 第一のイマジネーション 177
第二節 コウルリッジにおける推論の方法論とイマジネーション論 182
a 「法則」と「理論」 182/ b 理性の二重性 185/
c 「方法の原理」における理性論とイマジネーション論との類比 188/
d イマジネーション論の成立と『失楽園』 190
結び 195
終章 196
第二部 ポーの詩論とその背景 199
序章 200
第一章 「構成の哲学」とその瞞着 202
序 202
第一節 「構成の哲学」の個々の論点とその思想的背景 204
a プロット論 204/ b 効果ないし印象の統一 205/ c 作品の長さ 209/
d 唯美主義 210/ e 美とメランコリー 212/ f リフレイン 213/
g 恋人の死を悼む男という主題 217/ h 後ろからの制作 218/ i 舞台設定 219/
j 意味の底流 221
第二節 「構成の哲学」における瞞着―イマジネーション論の隠蔽 222
結び 227
第二章 詩的イマジネーション論の形成過程 228
序 228
第一節 「ドレイク・ハレック評」 229
第二節 『アルシフロン』評 234
第三節 「ロングフェローのバラッド」 239
第四節 ウィリス評 247
第五節 例外的な「イマジネーション」概念の用法 250
結び 256
第三章 イマジネーション論の思想的背景 258
序 258
第一節 「アルンハイムの地所」における造園論 259
第二節 「メスメリズムの啓示」とイマジネーション論 262
第三節 「メスメリズムの啓示」の思想的背景 268
a デカルト、モア、グランヴィル 268/ b エピクロス、シラノ 272/ c メスメリズム 277
第四節 個物の融解と言葉 278
結び 284
第四章 イマジネーション論と推論の方法論 286
序 286
第一節 「モルグ街の殺人」における命題群の解析 289
第二節 モルグ街の殺人事件と分析力 292
第三節 演繹、帰納、イマジネーションに基づく推論 298
a 演繹、帰納における発見性の欠落 300/ b 演繹、帰納における真実性の欠落 301/
c 新奇な仮説を形成する蓋然的推論の意義 304/ d アブダクション 306
第四節 コウルリッジのイマジネーション論との比較 310
結び 315
終章 318
第三部 ポーの詩論のフランス絵画論への転換とフランス芸術の変容 321
序章 322
第一章 ボードレールの美術批評におけるポーの影響 324
序 324
第一節 一八五〇年代までのフランス芸術の状況 325
第二節 美の変容 336
a 異様さの称揚 336/ b 抽象美への接近 341/ c 「超自然主義」 346
第三節 唯美主義 352
第四節 イマジナシオン論 354
第五節 ポーとの思想的相違 360
結び 365
第二章 ボードレールによるヴァーグナー受容とその思想的背景 366
序 366
第一節 ヴァーグナーの芸術論―「未来音楽」を中心に 367
第二節 ボードレールとヴァーグナーとの思想的接触(一) 375
第三節 ボードレールとヴァーグナーとの思想的接触(二) 385
結び 392
第三章 マラルメと「構成の哲学」 ―印象主義を越えて 396
序 396
第一節 「構成の哲学」の影響と「印象主義」の成立 397
第二節 虚無と美 412
第三節 象徴主義への道 421
第四節 ポーとの思想的相違 424
結び 427
第四章 偶像化されたボードレールとシュルレアリスムへの展開 430
序 430
第一節 印象主義擁護論 431
第二節 ジャポニスム 436
第三節 象徴主義とランボー 440
第四節 シュルレアリスム 447
結び 454
終章 456
第四部 一九世紀後半の詩画制作論の変容に関する原理的考察 459
序章 460
第一章 推論形式と詩画制作運動 464
序 464
第一節 合理論と経験論とが芸術運動に与えた影響 465
第二節 第三の推論形式と芸術 478
結び 481
第二章 ポーの思想と大乗仏教 484
序 484
第一節 諸事物の実在性 487
第二節 人間の心の二重性 491
第三節 言葉の限界と意義 494
第四節 仮構的世界 497
第五節 個人性 500
結び 504
第三章 大乗仏教と中世の和歌 ?西洋近代詩論との類比 506
序 506
第一節 時代背景 507
第二節 天台三諦説と和歌 ?慈円と藤原俊成 511
第三節 歌詠みと歌作り 519
第四節 真言密教と和歌 ?西行 525
第五節 定家の和歌 532
結び 536
第四章 西洋近代文化の変容と現代 538
序 538
第一節 ジャポニスム再考 540
第二節 言語学的問題 548
第三節 心理学的問題 556
a 神的性質の希薄化 557/ b 制作における無意識や狂気 559/ c 作品の享受者への影響 563
第四節 制作者の消失 568
結び 580
終章 584
結語 587
あとがき 594
文献表 1
人名索引 18
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