ポスター芸術論

十九〜二〇世紀フランスの広告、絵画、ポピュラー・イメージ

[著]吉田紀子

シェレ、ロートレック、ミュシャ、……
街に氾濫する大型の広告ポスター。大量に流通し始めたポピュラー・イメージの衝撃に画家やデザイナーはいかに対峙し、美術批評家、文化政策、産業界はどう関わったのか。フランス美術史への新しい視点。

[書評・紹介]
『月刊アートコレクターズ』2022年5月号、著者インタビュー

定価=本体 3,800円+税
2022年2月25日/A5判上製/306頁/ISBN978-4-88303-544-1


イメージを拡大

[目次]

序文  7
   本書の問題意識  9
   本書の構成  12
   研究史の現状  17

第一部 アフィショマニ(ポスター愛好)≠ニポスター芸術論の形成  21

第1章 十九世紀末フランスのアフィショマニ≠ニロジェ・マルクス  23
   序  23
   一.一八九〇年代のフランスにおけるアフィショマニ′サ象  27
   二.ロジェ・マルクスのポスター批評(一八八九〜一九〇〇年) 32
   結  43

第2章 二〇世紀に臨む広告芸術論 ―ギュスターヴ・カーン著『街頭の美学』(一九〇一年)  44
   序  44
   一.著書『街頭の美学』(一九〇一年)  47
   二.第一次世界大戦前後の揺れる視点  55
   三.広告芸術論の形成へ  63

第3章 世紀転換期のジュール・シェレ ―ポスターから公共装飾画へ  67
   問題の所在  ― 装飾画(家)の領分  67
   一.ポスター・デザイナーとしての業績  69
   二.装飾画家としての起用  76
   三.キャリア転向の背景  ― 支援者のネットワーク  90
   結  95

第二部 画家として、ポスター・デザイナーとして  97

第4章 ジェームズ・ティソ作《パリの女》シリーズ― 油彩画と版画(リトグラフ/エッチング)の双方向的関係  99
   序  99
   一.油彩画《パリの女》シリーズ(一八八三〜一八八五年)とその版画化構想  100
   二.作画過程  115
   三.公開後の展開  130
   結  136

第5章 パリのミュシャ再考  ― ミュシャはポスターの巨匠であったのか?  138
   序  138
   一.後発のポスター・デザイナー  139
   二.称賛されるミュシャ様式  143
   三.アフィショマニ(ポスター愛好)の現象  147
   四.ミュシャ  ― 装飾芸術としてのポスターの巨匠  151

第6章 領域横断する芸術家トゥールーズ=ロートレックのポスター  156
   序  156
   一.世紀末フランス、ポスター発展の環境  157
   二.ロートレックとポスター  163

第三部 ポスター芸術の産業化と制度化  175

第7章 二〇世紀初期フランスのポスターをめぐる広告業と現代芸術家連盟  177
   序  177
   一.広告業  179
   二.現代芸術家連盟  183
   三.アメリカ型広告との差別化  189
   結  196

第8章 醜いヌーディズム  ― 一九三〇年代現代芸術家連盟批判に見る伝統主義とその背景  197
   序  197
   一.現代芸術家連盟の設立(一九二九年)と目的  198
   二.「醜いヌーディズム」(一九三三年)  ― 現代芸術家連盟批判に見る伝統主義  203
   三.現代芸術家連盟マニフェスト「現代芸術、あるいは現代生活の環境のために」(一九三四年)  208
   四.一九三〇年代フランスにおける装飾芸術観の振り幅  213

第9章 ポスター美術館の誕生(一九七八年)  ― 現代フランスのポスター受容と文化政策  217
   序  217
   一.最初のポスター専門美術館  219
   二.広告美術館へ  225
   三.芸術概念の拡大と広告振興  231
   結にかえて  ― ポスター美術館の現在  236

あとがき  239

註  1
人名索引  37
引用図版出典一覧  37