ことばと社会 26号
特集:言語マイノリティ:人権の拡張か、文化遺産の保護か

[編]『ことばと社会』編集委員会

「言語的多様性の尊重」という理念は、今日、国際世論として定着しつつある。その議論や具体的な法制化が多方面にわたって展開される過程を、「話者の権利」と「言語の文化遺産化」という二つの潮流を座標軸として捉えることで、国内外の多様な「言語マイノリティ」、そして「マイノリティ化された言語」の現在を俯瞰する。

定価=本体 2,600円+税
2024年10月25日A5判並製/360頁/ISBN978-4-88303-599-1


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[目次]

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執筆者紹介PDF

巻頭コラム
   選挙とことば、選挙のことば/吉田真悟 002

特集 言語マイノリティ:人権の拡張か、文化遺産の保護か
   [序論]言語マイノリティ:人権の拡張か、文化遺産の保護か/佐野直子 009
   [講演録]日本のマイノリティ言語としての琉球諸語/石原昌英 030
   [講演録]先住民族アイヌの言語復興/北原モコットゥナシ 057
   オクシタン語と「オクシタンらしさ」の存在感――それは都市的な現象か/ジャン=フランソワ・クロー 082
   [講演聴講報告]フランセスク・シャビエー・ビラ氏講演「鶏口でもなく、牛後でもなく」
   ――持続性モデルを探し求める中規模言語としてのカタルーニャ語/塚原信行 111
   バスク語を知っていることと使うこと――人権としての言語権擁護と継承財産としての言語/萩尾生 117
   [研究ノート]消滅の危機言語からの言語復興・継承活動
   ――中米グアテマラのシンカの人々の場合/敦賀公子 141
   [研究ノート]言語権論から見た「マイノリティ化された言語の保存」問題/杉本篤史 162
   言語としての手話、言語的マイノリティとしてのろう者――二者択一から一挙両全へ/森壮也 186
   [研究ノート]メディアにおける手話翻訳の担い手としての「ろう通訳者」/高嶋由布子 215
   言語マイノリティの生徒に対する教育のあり方の新たな可能性
   ――人権教育を基礎とした公立S高校の多文化教育を例にして/王一瓊・榎井縁 240
   [研究ノート]他郷にて唄い継ぐ朝鮮民謡
   ――在日コリアン歌手によるエンテクスト化過程のディスコース分析/猿橋順子 264
   [特集あとがき]「人権」か「文化遺産」か、という問いを越えて
   ――フランコプロヴァンス語の視点から/佐野彩 294

書評
   村田和代(著)『優しいコミュニケーション―「思いやり」の言語学』/[評者]庵功雄 300
   Colin H. WILLIAMS, Language Policy and the New Speaker Challenge: Hiding in Plain Sight
  / [評者]半嶺まどか 304

連載報告|多言語社会ニッポン
   アイヌ語
      アイヌ語復興における言語学者の役割/エリーア・ダル・コルソ 308
   琉球弧の言語
      うちなーぐちとぅ ちゃーまじゅんとぅじみぬ 標準語励行 〔うちなーぐちと共に―最後の標準語励行〕
      / 城間勝(まぁ〜ちゃん) 聞き取り:半嶺まどか 315
   移民の言語
      日本における多言語話者スリランカ人の言語使用状況/西島サジー 330
   手話
      私の人生を変えた「ろう文化宣言」/前川和美 337

近刊短評  344
Mokuzi(Contents) 351
執筆者紹介  356