ドイツ社会民主党の戦後史
国民政党の実践と課題

[著者]P・レッシェF・ヴァルター
[訳者]岡田浩平

「この本を読むと我われは殆どこの党のことを知っていなかったことが分かる。階級政党から左派国民政党に変貌していくSPDの姿をこれほど具体的に、しかもユニークな視点から分析した本はない。社民=リベラルに関心ある人びとにとっては必読の本であろう」 篠原一氏推薦。

定価=本体 8,000円+税
1996年3月25日/A5判上製/528頁/ISBN978-4-88303-031-6



[目次]
翻訳にあたって 003
まえがき 013

第1部 ヴァイマル時代の社会民主党――国民生徒への途上に? 015
 第1章 国民政党と議会主義017
     1 スローガン、それとも分析的カテゴリー? 017
     2 議会や議会政治に関する社会民主党の理解と国民政党 020
 第2章 
ドイツ社会の社会学――社会民主党の社会学。緊張と接近 030
     1 ドイツ社会の変貌 030
     2 社会民主党の党員 034
     3 社会民主党支持の有権者 037 
 第3
章 社会民主党の開かれた党への試み――反発と制約 040
     1 階級政党との訣別? 社会民主党的な解釈と構想 042
     2 新しいグループの獲得をめざして。呼びかけ、反発とマイナス 053
          サラリーマン 053
          官公吏たち 058
          アカデミカーと知識人 065
          農民と農業労働者 072
          自営業的中産階級 078
          カトリック教徒 082
 第4
章 厳しい線引きと孤立化 090
     1 盛時文化の分節化 090
     2 組織保守主義と党の変革 095
 第5章 結論 100
 第一部原注 111 

第2部 西ドイツ時代の社会民主党――伝統的集団から緩い結びつきのアナーキーへ? 113
 第1
章 社会構造と社会。ヴァイマル時代以降の変化 114
     1 近代化の進行。ナチ時代における構造変化とメンタリティーの変容 114
     2 工業社会からサービス業社会へ。社会の変化が西ドイツ社会民主党にもたらすチャンスとリスク 118
 第2
章 労働生活圏と中間階級居住区の間で。社会民主党支持の有権者 127
     1 投票行動の継続性 127
     2 「同志」的傾向から「市民」的傾向へ 129
     3 工業社会のしんがり 133
     4 SPDが社会的成功者に着目し――そしてドイツ統一で挫折する 140
 第3章 綱領、シンボル、アイデンティティー論議 149
     1 クルト・シューマッハー――戦後社会主義の変革者? 149
     2 ゴーデスベルクの途上で、あるいはヴァイマル時代の青年社会主義の復活 153
     3 テクノクラート的な理論無関心と左派ユートピア的な応答 158
     4 環境平和主義者とアイデンティティーの危機 163
     5 八十年代の綱領闘争――敬虔主義と近代性の狭間で 169
 第4
章 熟練労働者政党から公勤務者党へ? 177
     1 SPDの党員、党役員、各種議員 177
     2 新たな始まり、それとも再建? 181
     3 停滞の歳月 187
     4 ゲットーからの脱却 195
     5 国民政党への突破 199
     6 停滞―衰退―抗争 207
     7 野党の立場に固定化か? 213
 第5
章 「寡頭制支配の鉄の原則」から、ゆるい結びつきのアナーキー」へ 227 
     1 一九四五年以降のSPDの組織の展開について 227
     2 社会民主党の組織の歴史 229
     3 一九五八年のシュトゥットガルト組織改革とその帰結 239
     4 「ゆるい結びつきのアナーキー」とは何か? 248
     5 現代SPDの組織社会学的な具体的実態 257
 第6
章 「労働者少額献金」と「国庫補助」の間で 287
     1 SPDの党財政について 287
     2 連帯共同体の資金調達 289
     3 国民政党の資金調達 292
 第7
章 目的集団的な活動――活動連盟と市民イニシアティブ 300
     1 自分自身のことばかり――SPDの三つの大きな活動連盟 300
          「労働者福祉協会(AWO)=女性コーヒーの会」から教養市民的フェミニズムへ
           ――「社会民主党女性連盟」 300
          闘争精神のない伝統的集団――「被用者連盟」 321
          「脇道路線で不平をいいながら」――「社会民主党青年部」 334
     2 選挙支援者としての知識人――「社会民主党系有権者イニシアティブ」 354
 第8
章 カトリック教徒相手の社会民主党の難儀(または、ドイツで北欧的状況が支配的にならない理由) 372
     1 ルサンチマン、無理解、隔たり――戦後最初の十年間 370
     2 疑心にみちた接近と徐々にほぐれた緊張――五十年代から六十年代にかけて 375
     3 カトリックの文化闘争――社民=自由連立の時代 386
     4 困難な事態の正常化――八十年代 409
     5 SPD――プロテスタントの政党か? 411
 第9
章 世代、文化、利害の衝突。大都市におけるSPDの変貌と危機 416
     1 七十年代の地盤崩壊――左翼過激派の神道の結果か? 416
     2 クローナヴィッターからクローナヴィッターへ。自己破壊と自己反省との狭間で――ミュンヘンSPD 420
     3 左派とセミ左派の人びと。近代化論者と伝統主義者たち。
     公勤務職の分節化した大都市型政党――フランクフルトSPD 449
 第二部原注 477

第3部 結論 479

訳者あとがき 489
事項索引 514
人名索引 526


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