占領下日本の表記改革
忘れられたローマ字による教育実験

[著者]J・マーシャル・アンガー
[訳者]奥村睦世

「限界のある読み書き能力」と表記改革の試み
「押しつけられた表記改革」という神話は、なぜ生まれたのか。忘れ去られている「国語国字問題」をめぐる活溌な日本の社会風潮と、とくに敗戦後の表記改革の試みの現実を、GHQ史料などの緻密な調査によって明らかにするとともに、当時のローマ字教育実験の実態に迫る。

定価=本体 2,500円+税
2001年10月31日/四六判並製/212頁/ISBN978-4-88303-084-2



[目次]
まえがき iii
日本語版まえがき v
訳者まえがき viii

1章 夢想者か現実家か――はじめに 005
  1節 忘れられた歴史――活発なローマ字表記運動 005
  2節 言語と表記 013
  3節 現行の日本語表記法 023

2章 終戦以前の読み書き能力 033
  1節 徳川時代の遺産 033
  2節 公立学校教育の成果 048

3章 日本人自身による表記法改革 059
  1節 かなタイプライターとローマ字教科書 059
  2節 当用漢字表に代表される終戦直後の改革 075

4章 連合国軍最高司令部の介入 079
  1節 ロバート・キング・ホール 079
  2節 エイブラハム・マイヤー・ハルパーン 100

5章 ローマ字教育実験 113
  1節 連合国軍側資料 113
  2節 幕あいのエピソード――ローマ字新聞社での奇妙な出来事 141
  3節 日本側資料 147

6章 日本の“識字率”は世界一か?――むすび 159
  1節 常用漢字表と自由民主党の反動的行為 159
  2節 機能性からみた読み書き能力 165

付録A ハルパーンのローマ字表記問題概観 171
付録B トレーナーのローマ字教育実験についての記述 176
付録C 実験結果についてのカルフーンの主要メモランダム 178
付録D 記録保管所の文書について 181

参考文献 187
人名索引 196
事項索引 201


HOME