[目次]
序章 本書のねらい
第一章 国文学はいかように敗戦をのりこえようとしたのか
1 のりこえ方
2 具体相としての久松潜一
1 国民精神文化研究所
2 日本諸学振興委員会
3 「今に徹する」ことと、時局のあいだ
4 日本文化論の構造
第二章 戦中期の言説
1 「今に徹する」国文学
2 「国学」の一貫性―日本文芸学論争と「日本学」の構造
1 日本文芸学論争と久松潜一
2 「国学」としての「日本諸学」
3 「国学」化する久松潜一
3 「普遍性」の問題
1 日本文学の「普遍性」―『万葉集』をめぐって
1 万葉精神と日本精神―特殊から時間軸の「普遍性」へ
2 空間軸の「普遍性」―万葉精神=日本精神の「世界性」「優秀性」
3 ヨーロッパ留学と「世界性」の問題
4 「東亜」での「普遍性」―「東亜文化」「東亜文学」の可能性
2 「普遍性」と「国語」論
3 敗戦と「普遍性」―「まこと」を軸にして
第三章 時間的整序―日本文学史・日本文学評論史・日本精神
1 「あたらしい国文学」の誕生―芳賀矢一・立花銑三郎『国文学読本』の周囲
2 統一体としての日本文学―『国文学読本』から『日本文学概説』へ
3 統一される「精神」―「国文学を流れる三の精神」(一九二六年)をめぐって
4 「日本文学評論史」の構造
5 日本精神の構成―「まこと」の規範化
1 「まこと」の道徳性
2 日本精神
3 一九三二年という画期@―『古事記』論と「敬神・忠君・愛国」と「まこと」
4 一九三二年という画期A―『万葉集』論と「敬神・忠君・愛国」と「まこと」
5 文部省教化プロジェクトへの参与
6 「心と詞」の調和をめぐって
第四章 空間的整序―風土と「国民性」
1『風土』との出会い
2「歴史・風土・文学」(一九三七年四月)―風土と文学
3「日本の風土と文学」(一九三七年八月)―風土の時間的整序
4「文学地理学の構想」(一九四四年三月)―時間軸の空間軸への投射
5 同時期の文学風土論―雑誌特集にみる
1 「海洋文学」―『国文学 解釈と鑑賞』(一九四一年六月)
2 「日本文学と風土」―『国文学 解釈と鑑賞』(一九四〇年一〇月)
第五章 文学と国民性―時間的・空間的整序をへた議論のなかで
1 『国体の本義』
2 『我が風土・国民性と文学』の構成
1 「序説」に関して
2 「一、我が風土と文学」に関して
1 「イ、日本文学の風土的区画」
2 「ロ、季節感と日本文学」
3 「二、我が国民性と文学」に関して
1 「イ、日本文学の国民的性格」
2 「ロ、「まこと」と明浄直」
3 「ハ、国民性の美的特質」
4 「二、敬神の精神」
5 「ホ、忠君愛国」
6 「ヘ、家の尊重」
7 「ト、没我帰一と包容同化」
3 「国民性」を論じること
1 芳賀矢一『国民性十論』との関連から
2 『国文学通論』(一九四四年)へ
第六章 継承関係―ふたたび、「のりこえ方」をめぐって
1 分割継承―『我が風土・国民性と文学』の場合
1 前半部「我が風土と文学」について―『日本文学 風土と構成』ほかへ
2 後半部「我が国民性と文学」について―『新訂 国文学通論』へ
2 削除・書きかえ・かわらぬもの―『改訂 日本文学の思潮』ほかへ・および「文化の庇護者としての天皇」論
3 風土論の継承をめぐって
終章 日本文化論の語り方 |