著訳者紹介


*データは原則として刊行時のものです*

 

安田敏朗
やすだ・としあき

1968年、神奈川県生まれ。1991年、東京大学文学部国語学科卒業。1996年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程学位取得修了。博士(学術)。現在、一橋大学大学院言語社会研究科教員。著書:『植民地のなかの「国語学」―時枝誠記と京城帝国大学をめぐって』(三元社、1997年)、『帝国日本の言語編制』(世織書房、1997年)、『「言語」の構築 ― 小倉進平と植民地朝鮮』(三元社、1999年)、『〈国語〉と〈方言〉のあいだ ― 言語構築の政治学』(人文書院、1999年)、『近代日本言語史再考 ― 帝国化する「日本語」と「言語問題」』(三元社、2000年)、『国文学の時空 ― 久松潜一と日本文化論』(三元社、2002年)、『脱「日本語」への視座 ― 近代日本言語史再考 U 』(三元社、2003年)、『日本語学は科学か ― 佐久間鼎とその時代』(三元社、2004年)、『辞書の政治学 ― ことばの規範とはなにか』(平凡社、2006年)、『統合原理としての国語 ― 近代日本言語史再考 V 』(三元社、2006年)、『「国語」の近代史 ― 帝国日本と国語学者たち』(中公新書、2006年)、『国語審議会 ― 迷走の60年』(講談社現代新書、2007年)、『金田一京助と日本語の近代』(平凡社新書、2008年)、『「多言語社会」という幻想 ― 近代日本言語史再考 W 』(三元社、2011年)、『かれらの日本語 ― 台湾「残留」日本語論』(人文書院、2011年)、『日本語学のまなざし』(三元社、2012年)、『漢字廃止の思想史』(平凡社、2016年)『近代日本言語史再考 X― ことばのとらえ方をめぐって』(三元社、2018年)、『大槻文彦『言海』 ― 辞書と日本の近代』(慶応義塾大学出版会、2018年)、『「国語」ってなんだろう』(清水書院、2020年)。翻訳書:『戦争の記憶 記憶の戦争 ― 韓国人のベトナム戦争』(金賢娥著、三元社、2009年)。共著書:『言語学の戦後―田中克彦が語る〈1〉』(三元社、2008年)、ほか。解説書:『国語国字問題の歴史』(平井昌夫著、復刻版、三元社、1998年)、『国語のため』(上田万年著、平凡社東洋文庫、2011年)、ほか。 (2021年5月現在)

 

[安田敏朗の書籍一覧]

 

[単著]

「てにはドイツ語」という問題

近代日本の医学とことば

[著者]安田敏朗

日本医学と「言語的事大主義」。
いまは忘れられた、ドイツ語を日本語の語順でならべて助詞などでつなげた「てにはドイツ語」とは、ドイツ語で医学教育がおこなわれるという、きわめて特殊で限定的な場で発生し、流通した言語変種といえる。「てにはドイツ語」による教科書も出されている。この言語変種をめぐって、日本医学界ではいかなる議論がなされたのか。「医学のナショナライズ」「ナショナリズムの医学」「日本医学」「大東亜医学」、敗戦後の「アメリカ医学」=アメリカ英語への転換、それは、近代日本語のあり方のみならず、学知のあり方までをもうかびあがらせるものである。

PDFで試し読み

【電子書籍版もあります】

定価=本体 3,500円+税
2021年5月20日/四六判並製/454頁/978-4-88303-529-8

近代日本言語史再考 V

ことばのとらえ方をめぐって

[著]安田敏朗

日本において「国語」はあって当然のようにみなされてきた。しかし、多言語社会日本を考える際には、こうした考え方を相対化し、より柔軟な多言語へのまなざしを見出していく必要がある。つまりは、「国語」からはみえないものへの視線をとりだすことが必要とされる。
なにかを「とらえる」ということは、意志的なものであり、みたくないものはみない、みたいものだけをみる、ということだ。本書は、歴史的に「みえない」ものとされた、そして現在も日本社会で「みえない」ものとされていることばたちを念頭におき、「みる」側の構図をえがきだす。

定価=本体 3,600円+税
2018年1月31日
四六判並製/520頁/ISBN978-4-88303-454-3

シリーズ「知のまなざし」
日本語学のまなざし

[著者]安田敏朗

日本語への問い──
なぜ、「ことば」へ過度の期待が持ちこまれるのか。なぜ、言語・民族・文化を不可分なものと、とらえてしまうのか。「日本言語学」のために。

【電子書籍版もあります】

定価=本体 1,600円+税
2012年6月20日
B6判並製/164頁/ISBN978-4-88303-314-0

「多言語社会」という幻想
近代日本言語史再考 IV

[著者]安田敏朗

突然湧いてきたかのような「多言語社会」言説のもつ問題を、近代日本言語史に即して浮きぼりにし、多言語性認識の新たな方向を提起する。

定価=本体 2,400円+税
2011年4月20日/四六判並製/336頁/ISBN978-4-88303-291-4

統合原理としての国語
近代日本言語史再考 III

[著者]安田敏朗

繰り返し立ち上げられる「ナショナリズム」を胚胎する「国語」「日本語」へのポピュリズム的言説。 それらをいまいちど、「近代日本言語史」――近代国民国家日本の形成過程とその帝国的展開のなかで言語がはたした役割――に配置し、その前提を明らかにするとともに、それらを支えてきた「学」のありよう、「研究者」のありようを問い直していく。

定価=本体 2,700円+税
2006年6月20日/四六判並製/376頁/ISBN978-4-88303-178-8

 

日本語学は科学か
佐久間鼎とその時代

[著者]安田敏朗

「伝統的な国語学」から、「科学的な国語学」=「日本語学」へ?!
日本語学は、どのような経緯で、または理論で、あるいはどのような時代背景のもとで、分析すべき「日本語」を獲得していったのか。国語学、日本語学にとって、科学性とはいかなる意味を持っていたのか。

定価=本体 2,900円+税
2004年9月15日/四六判並製/348頁/ISBN4-88303-149-8

 

脱「日本語」への視座
近代日本言語史再考 U

[著者]安田敏朗

多言語社会日本の歴史構成― 「国語」や「日本語」は多言語状況と、いかにむきあってきたのか。国民国家日本の「国語」「日本語」の呪縛から逃れ、抑圧と排除にもとづかない、相互承認にもとづく社会的アイデンティティを構築し、わたしのことばを手にするために必要とされるものとは。

定価=本体 2,800円+税
2003年6月30日/四六判並製/400頁/ISBN978-4-88303-120-7

国文学の時空
久松潜一と日本文化論

[著者]安田敏朗

歴史・風土・国文学────
日本文化・日本文学は、どのような時空のなかで整序されてきたのか。「まこと」「もののあわれ」「わび」といった今日でも日本文化論のキーワードとされる概念は、その時空にいかように配置されていったのか。「今に徹する」ものとして時代と調和的に構築された「国文学」が、敗戦をのりこえようとした回路を、一国文学者の議論を中心に検証する。

定価=本体 2,600円+税
2002年4月20日/四六判並製/324頁/ISBN978-4-88303-094-1

近代日本言語史再考
帝国化する「日本語」と「言語問題」

[著者]安田敏朗

「日本語」はいかに構築されたか。帝国日本は多言語性とどのようにむきあい、介入していったのか。〈いま〉を語るべき「日本語」を再構築するために。

定価=本体 3,300円+税
2000年9月20日/四六判並製/422頁/ISBN978-4-88303-071-2

「言語」の構築
小倉進平と植民地朝鮮

[著者]安田敏朗

近代朝鮮語学の基礎をつくったとされる小倉進平。彼の方言研究はいかなる意味を持ったのか。植民地支配下における「民族語」構築に日本人学者が担った役割を問い直し、国家統治体制のありようと言語・言語研究との関係を探る。

定価=本体 3,000円+税
1999年1月25日/四六判並製/335頁/ISBN978-4-88303-054-5

植民地のなかの「国語学」
時枝誠記と京城帝国大学をめぐって

[著者]安田敏朗

国語学者・時枝誠記にとって植民地朝鮮とはいかなる場であったのか。その言語理論「言語過程説」から、どのような「国語政策」が導き出されたのか。「国」の名を冠した学問体系に絡め取られていった一国語学者の時代像を描く。

定価=本体 2,500円+税
1998年8月25日/四六判並製/275頁/ISBN978-4-88303-040-8

 

 

[共著]

多言語社会日本

その現状と課題

[編]多言語化現象研究会

いま、多言語化、多言語社会、多言語主義、多言語政策、多言語サービス…、「多言語」が飛びかっています。本書は、移民の増加とともに日本で進行しつつある「多言語化」をキーワードに、日本語・国語教育、母語教育、言語福祉、言語差別などをわかりやすく解説する「多言語社会」言語学入門書です。

→本書を授業で用いるための「教師用手引き」PDF

定価=本体 2,500円+税
2013年9月10日A5判並製/294頁/ISBN978-4-88303-349-2

言語学の戦後
田中克彦が語る@

[著者]田中克彦
[聞き手]安田敏朗+土屋礼子

田中言語学生成の現場へ────
言語とは、思想とは、学問とは……。ことばと社会の中で格闘する異端の言語学者が、縦横にその自己形成の軌跡を語り、日本の言語学の戦後を問いなおし、現代の知的状況を照射する。

定価=本体 1,800円+税
2008年10月31日四六判並製208頁
ISBN978-4-88303-226-6
 

[解説・訳書]
國語國字問題の歴史

[著者]平井昌夫
[解説]安田敏朗

敗戦から時を経ず、戦前・戦中期の言語問題・言語政策を多くの資料に基づいて分析し、「国語国字問題」の解決によって日本語の民主化をめざした名著の復刻。本書付録「国語国字問題年表」は明治以降戦前期までの最も詳細な年表である。

定価=本体 8,000円+税
1998年2月25日/四六判上製、函入り/640頁/ISBN978-4-88303-047-7

戦争の記憶 記憶の戦争
韓国人のベトナム戦争

[著者]金賢娥(キム・ヒョナ)
[訳者]安田敏朗

朴正熙独裁政権のもと、韓国は1960年代半ばベトナム戦争に参戦する。韓国側の被害者だけでも死亡5千人、負傷1万人、枯葉剤後遺症被害者2万人以上を生む一方で、ベトナム特需による経済発展をもたらしもした戦争――それは記憶の風化とともに現代の韓国社会では、徹底して忘れられた戦争でもあった。そして1999年になりようやく、韓国軍による民間人虐殺という衝撃的な事実が明らかになる。
本書は、ベトナム現地調査から始め、真実を記憶することをとおして、真の和解をもとめる韓国の市民団体の足跡をたどったものである。

[書評]
《読売新聞》書評欄、2009年12月20日
《読売新聞》「今年の3冊」、2009年12月27日
《週刊読書人》「今週の書評」、2010年2月26日号
《西日本新聞》書評欄、2010年4月18日
『現代韓国朝鮮研究』10号(2010年11月)、現代韓国朝鮮学会

定価=本体 2,700円+税
2009年11月30日/四六判/376ページ+カラー口絵2ページ/ISBN978-4-88303-255-6
 

 

[雑誌『ことばと社会』]

ことばと社会 21号
特集:オリンピックと言語

[編]『ことばと社会』編集委員会

→右欄の「くわしい内容」から、中を少しだけご覧いただけます!

定価=本体 2,300円+税
2019年11月20日A5判並製/244頁/ISBN978-4-88303-498-7

ことばと社会 10号
特集:社会言語学再考

[編]『ことばと社会』編集委員会

 

定価=本体 2,300円+税
2007年6月30日
A5判並製/262頁/ISBN978-4-88303-187-0

ことばと社会 8号
特集:地域語発展のために

[編]『ことばと社会』編集委員会

 

定価=本体 2,200円+税
2004年11月15日/A5判並製/180頁/ISBN978-4-88303-136-8

ことばと社会 5号
特集:漢字文化圏の文字ナショナリズム@

[編]『ことばと社会』編集委員会

 

定価=本体 2,200円+税
2001年6月25日/A5判並製/192頁/ISBN978-4-88303-077-4

ことばと社会 1号
特集:地名の政治言語学

[編]『ことばと社会』編集委員会

 

定価=本体 2,200円+税
1999年5月20日/A5判並製/219頁/ISBN978-4-88303-057-6

脱帝国と多言語化社会のゆくえ
ことばと社会 別冊2

[編]『ことばと社会』編集委員会

 

定価=本体 2,500円+税
2005年6月25日/A5判並製/322頁/ISBN978-4-88303-151-1


HOME