[目次]
はじめに 007
序章 日本人という自画像 015
1 「なんじ自身をしれ」 015
2 「日本人の自画像」? 019
3 「日本人の境界」? 021
1章 想像の共同体「日本」再考 027
1 はじめに 027
2 国家論への熱意 028
3 「レコンキスタ」としてのナショナリズム 030
3.1 「南方領土」問題としての沖縄返還 031
3.2 「北方領土問題」の本質 034
4 「〈日本人〉の境界」再考 036
5 〈日本人〉の「なかみ」 038
6 「日本列島=特殊空間」論の破綻 041
7 「国民史」「国語」教育のありかた再考 042
2章 帝国の幻影――同化主義・排外主義・被害妄想 047
1 冷戦後アジアのふたつの帝国 047
2 抑圧された帝国意識 048
3 国内少数派への帝国支配 052
4 のこされた議論 056
3章 日本人構築のための学術的研究――戦後日本のオリエンタリスト点描 063
1 はじめに 063
2 「普通の日本人」イメージの構築のための蔑視/ノスタルジア と「多様性」の統合 64
2.1 「民族国家日本」イメージの構築装置としての人文社会系諸学 064
2.2 「縄文人=原日本人」イメージの浮上や稲作文化論の洗練化 067
2.3 第一線官僚による「普通の日本人」の構築 069
3 「日本語」の構築と同化吸収圧力 071
3.1 「素材」としてのアイヌ文化 071
3.1.1 アイヌ語の「フォーマット化」 072
3.1.2 .「アイヌ民族」の否定 076
3.2 「沖縄/先島諸方言」衰亡論という同化イデオロギー 078
3.3 同化装置としての、ろう児への口話教育 082
4 「洗練された自画像」と少数派抑圧のための「知的自爆テロ」 087
4.1 アイヌ民族/沖縄人という「本質化」批判のケース 088
4.2 「沖縄人も加害者だ」という「知的自爆テロ」 092
5 おわりに 094
6 日本人の構築のための学術研究【補論】 096
6.1 松本和良/江川直子編『アイヌ民族とエスニシティの社会学』 096
6.2 岡本智周『国民史の変貌』 101
6.3 三浦朱門編著『「歴史・公民」全教科書を検証する―教科書改善白書』
勝岡寛次『韓国・中国「歴史教科書」を徹底批判する―歪曲され た 対日関係史』 104
6.4 丸山隆司『〈アイヌ〉学の誕生』 105
6.5 バートン,B.『日本の「境界」―前近代の国家・民族・文化』
バートン,B.『国境の誕生―大宰府から見た日本の原形』 106
6.6 スチュアート、 ヘンリほか『他者像としてのアイヌ民族イメージを 検証する』 110
4章 オリエンタリズムと観光立県オキナワ・序説 121
1 はじめに:ツーリズム=観光業という「身分秩序」 121
1.1 ノスタルジー=みがってな投影としての非日常の消費 121
1.2 貴族/ブルジョアのコピーとしての擬制的身分秩序の大衆化=普遍化 121
1.3 オリエンタリスティックな「みおろした視線」による「観光」 122
1.4 「身分秩序」としてのオキナワ観光 122
2 大衆的知識のなかの「オキナワ」:構造的誤解という基盤上の 観光立県 123
2.1 かたより、かぎられる大衆的イメージ(マクロ的産業構造/ミクロ 的風景) 123
2.2 「ポスト・コロニアル」な空間としての、「楽園オキナワ」 124
2.3 パンフレットのコピーの記号学的分析 125
3 観光植民地としての普遍性 127
3.1 「無国籍」化 127
3.2 「現地の生活」の消失 128
3.3 オリエンタリズムとしての現地女性の「性的対象(femme objet)化」 129
4 観光商品としての「創られた伝統」と「てつかずの自然」 131
4.1 国民国家の装置としての「創られた伝統」 131
4.2 アイデンティティ形成装置としての「創られた伝統」 134
4.3 観光商品としての「てつかずの自然」:エコ・ツーリズム再考 136
5 おわりに 139
補論:ヤギ食文化の危機をめぐって 140
5章 イデオロギーとしての「日本」再考――歴史=記憶/結果責任/国民文化:2001年という画期をふりかえる 151
1 権力の責任と「免罪史観」 151
2 「日本通史」「日本文化」という構築物 153
3 歴史教科書業界というレジーム(体制) 156
4 公教育と国民国家 159
5 「非暴力主義」という知的抑圧装置 162
6 琉球列島の地政学1 165
7 琉球列島の地政学2 168
8 「知のグレシャムの法則」に無策な知識人 171
9 「のろい」としての大和魂 174
参考文献 180
索引 189
あとがき 194 |