[目次]
日本の読者へ 3 第1章 新生ロシア誕生と外交基本方針 15
1 新生ロシアの外交基本方針はどう決まったのか? 16
新外交政策の形成 16
二〇〇〇年「ロシア外交の新概念」 18
初期外交の基本的特徴 21
「親西側路線」からの転換 24
新生ロシアの最重要国益 26
西側主要国関係の最適路線 28
欧州とアジアをつなぐ橋 30
2 ロシア外交の継続性 34
外交政策の継続性と改革 34
帝政ロシア外交の伝統も生かす 36
ソヴィエト連邦の法的継承者 38
ソ連外交からの遺産 42
ゴルチャコフ外交の基本原則 46
ストルイピン改革と啓蒙愛国主義 50
伝統としての積極的外交政策 53
ハーグ平和会議と軍縮問題 56
ロシア外交の多ベクトル構想 58
「帝国主義的性格」からの脱却 60
ロシア外交の歴史的使命 62
第2章 二十一世紀の新国際秩序 67
1 「冷戦」後の国際情勢―新たな脅威と挑戦 68
「冷戦」終結と世界秩序の模索 68
「民主化平和理論」の破綻 71
先進諸国の“統一お仕着せ”モデル 74
NATO中心主義とバルカン危機 75
ロシアの多極的国際体制構想 78
国際安全保障体制の三つの柱 81
国連憲章と国際法の遵守が基本 85
2 グローバリゼーションの挑戦 89
新世界秩序確立の推進力 89
国際関係の過度な「経済化」 91
文化的多様性の喪失と平準化 94
国際社会における主権国家の役割 95
「人道的干渉」の二重基準 97
世界プロセスは合理的管理を 99
3 ロシアと戦略的安定性の諸問題 102
ABM条約と戦略的安定性 102
戦略的安定性を脅かす「世界ABM」構想 104
米国のABM条約離脱と核軍拡 106
「問題国家」のミサイル脅威 108
ロ米は核弾頭の大幅削減で一致 110
「全欧州非戦略的ABMシステム」構想 113
国連ミレニアム総会でのプーチン提案 116
国際テロと国連安保理決議一二六九 119
民主主義的世界秩序の確立 120
4 ロシアと国際連合 123
世界平和創出・維持の普遍的機関 123
地域紛争に対する平和支援作戦 126
制裁措置決定・運用の厳格化 128
最近十年の国連活動の成果 130
国連・安保理の改革 132
第3章 ロシア外交政策の地域的方向性 137
1 独立国家共同体(CIS)との関係 138
CIS誕生と加盟国間の遠心力 138
CIS発足の歴史的意義 142
CIS統合の二軌道戦略と統合化モデル 143
二国間関係重視へ政策転換 146
統合プロセス発展の客観性 148
CIS加盟国の機構改革と“簡素化” 149
地域紛争とロシアの平和維持活動 151
ナゴルノ・カラバフ紛争等の政治解決 152
2 ロシアと欧州 157
ベルリンの壁崩壊と新欧州パリ憲章 157
統一欧州建設という理想と現実 159
欧州各国との二国間関係の発展 161
OSCEの潜在的能力 163
OSCE弱化をねらうNATO 166
「欧州会議」加盟とロシアの貢献 167
NATOユーゴ爆撃と欧州会議 170
ロシアの対EU構想 172
EUパリ首脳会議と欧州安全保障問題 174
ロシア・NATO関係の転換点 176
旧ユーゴ・バルカン情勢を握るコソヴォ情勢 178
平和と安定のための欧州・地中海憲章 179
「北方次元」構想とロシアの潜在的貢献力 181
ポーランドとバルト三国のEU加盟問題 183
3 ロシアと米国 185
安全保障に関するロ米共同宣言 185
戦略兵器削減・大量破壊兵器不拡散問題 188
国際安全保障とロ米パートナーシップ 191
ロ米経済協力の強化 194
「冷戦」遺産の克服と実利的協力の哲学 196
「ロ米の新関係に関する共同声明」 200
4 アジア・太平洋地域におけるロシア 202
アジア地域統合と不安定要因 202
アジア外交の新路線 204
ロシア・中国善隣友好条約 205
戦略パートナーのインド 206
ロ日国境線画定の六条件 208
対朝鮮半島政策での建設的役割 210
インド・パキスタン対立と核問題 211
アフガニスタン情勢回復は長いプロセス 212
重要なパートナー、イラン 214
ARF加盟と「太平洋合意」宣言構想 214
アジア・太平洋地域経済統合とAPEC 216
「上海5機構」「上海協力機構」の設立 218
5 中東と北アフリカ 220
中東・北アフリカ諸国との関係修復 220
中東和平プロセスの推進 222
湾岸諸国の安定とイラク問題の解決 224
6 中南米・カリブ海諸国 227
経済発展・市場化改革と地域統合 227
対中南米外交での二国間関係の重要性 229
安全保障と平和創出のパートナーシップ 231
キューバ封鎖解除と関係完全正常化 232
通商・経済関係発展に向けた課題 233
7 ロシアとアフリカ 236
平和と安定のための多国間・二国間関係の発展 236
通商・経済関係発展の最適モデルの確定 237
第4章 これからのロシア外交 239
1 外交と経済―九〇年代の新たな結合 240
「経済外交」の重要性 240
主要先進国会議(G8)への参加 242
世界貿易機関(WTO)加盟問題 242
パートナー国間の通商・経済、投資協力 244
対EU通商・経済、投資協力の重要性 244
輸入制限および反ダンピング政策 246
APEC加盟でロシア経済はさらにオープンに 249
ロシアの投資環境整備と社会構造改革 251
2 ロシアの諸地域と外交 253
「連邦主体」対外政策の権限策定 253
(準)地域レベルでの多国間協力関係の推進 255
CISの地域協力関係 258
3 外交と文化 260
「科学・教育・文化活動家委員会」の設置 260
CIS加盟国との文化交流プログラム 262
ユネスコとの協力事業 263
4 「外交手腕」から「外交学」へ 266
外交活動における知的要素の向上 266
「分析委員会」の設置 267
むすび 269
外交メカニズムの「常数」と「変数」 269
グローバリゼーション時代の外交学 271
訳者あとがき 275
原注―283 |