女を描く
ヨーロッパ中世末期からルネサンスの美術に見る女のイメージ

[著者]クリスタ・グレシンジャー
[訳者]元木幸一青野純子

魔女か、聖女か、はたまたがみがみ女房か……女はどう描かれた?
「女嫌い」の思想は世界と同じくらい古い。女への辛辣な見方は、写本や版画など周辺の美術の中に繰り返し表されることによって浸透し、やがて女のイメージを固定していった。一方、聖母マリアを代表とする「良い女」の類型は、宗教改革により聖女信仰が消え去った地域などではある変化を生じていく。
著者グレシンジャーは、今も変わらぬ心悲しくもユーモラスな男女の交情の例など、北方ヨーロッパにおける中世末期から初期ルネサンスの美術の作例を丹念に集め、文献資料では知りえない女性観(そして同時に見えてくる男性観)の変遷を提示する。

定価=本体 3,000円+税
2004年11月25日/四六判上製/304頁/ISBN978-4-88303-138-2

 


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[目次]

はじめに   5
第1章 女嫌いの歴史  7   
第2章 良い女 37
     
聖母と聖女 38
     修道女と女性神秘家 65
     良い主婦 74
     教育 86
     女の肖像画 92
     働く女、遊ぶ女 111
     野生の女 134
第3章 悪い女 157
     
娼婦 206/ 魔女 212
第4章 女の年齢 227
     
女の死 231

結論 241
          
訳者補論 続「良い女」 周縁から中心へ―― 一七世紀オランダ絵画における働く女のイメージ(青野純子) 255
     
働く女性 257
     物を買う女 259
     物を売る女 262
     行き交う女たち 264
     境界を越えて 265

訳者あとがき(元木幸一) 271
          
原書図版リスト XVIII
参考文献 VII
索引  I


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