[目次]
まえがきにかえて――「英語問題」とは何か 009
I 部 「英語問題」を考える 015
1章 English/英語の定義をめぐって 016
1節 用語としてのEnglish/英語 016
2節 辞書(辞典)の定義 017
3節 望ましい定義――COD9の場合 025
2章 英語帝国主義の系譜 029
1節 「英語帝国主義」を再生産する言説 029
2節 英語の「進出・侵略」――5 つの段階 030
3節 英語帝国主義の形式――4 つのイデオロギー 032
1 拡大主義――「発見」と「征服」のイデオロギー 032
2 キリスト教化――布教のイデオロギー 032
3 ゲルマン民族賛美――古人イデオロギー 033
4 英語の標準語化――言語差別のイデオロギー 034
3章 病理現象としての「英語問題」の本質――「英語病」を告発する 3 冊 037
1節 「英語病」の告発 038
2節 英語支配の告発 039
3節 英語普遍主義の告発 041
4節 では、どうすればよいのか 043
4章 E.A.ネブリハが提起する「英語問題」の本質 046
1節 「犯意」の認識を欠く英語言説 046
1 変わらぬ言説 046
2 英語=地球語の論理 047
3 英語ヘゲモニーの犯罪性 047
2節 ネブリハ著『カスティリャ語文法』の序文 049
1 忘れられた二人の言語者 049
2 言語は帝国の朋友 049
3 規範の確立と言語の拡散 050
3節 ネブリハ言語論と英語のヘゲモニー 052
1 言語の拡大と「神の御心」 052
2 英語の商品化とグローバリズム 053
4節 新・英語植民地主義 054
1 「英語」の二重性 054
2 新植民地主義 055
5章 言語・ネイション・グローバリゼーション――英語社会論の立場から 058
1節 「グローバル化」と言語の一元化 058
2節 英語の「普遍化」過程 060
3節 英語普遍化の文化装置 063
4節 一元化/多元化をめぐって 066
1 対抗理論/戦略(counter theory/strategy)の特質 068
2 空洞化理論/戦略(disempowering 〔accomodating〕 theory/strategy)の特質 069
6章 船橋洋一、志賀直哉、そして森有禮――西洋の大言語と皇国言語の狭間で 073
1節 日本人の言語意識 073
2節 船橋洋一の「英語公用語化論」 077
3節 志賀直哉の〈フランス語採用論〉 082
4節 森有禮の「英語採用論」 088
5節 「大言語意識」の陥穽 093
1 「世界基準」としての西洋(語) 093
2 政治的無意識 095
II 部 「英語教育問題」を考える 103
7章 この国を「米国ニホン州」にしないために――「植民地化現象」と小学校の英語教育 104
1 問題だらけの中教審の「答申案」 104
2 「国際理解」に害だらけ 105
3 「ネイティブ・スピーカー信仰」 107
4 計りしれない危険性 108
8章 愚民化に手を貸す英語教育の実態 110
1 国策の中の英語教育 110
2 書名としての『コロンブス』 112
3 浅薄な「英会話」教育 113
4 「会話信仰」の陥穽 114
5 「英米大好き」の題材 116
6 ことば・人権・平和 117
9章 英語教科書の1世紀(1)――言説としての教科書批評再考 120
1節 英語教科書の批評 120
2節 再生産される「植民地主義」 124
3節 関係の非相互性 126
4節 教科書が表象する「黒人観」 133
5節 英語イデオロギーの読み替え 140
10章 英語教科書の2世紀(2)――戦後民主主義と英語教科書 151
1節 言説の変容と継承 151
2節 書名の意味論 156
3節 「戦後民主主義」 167
1 本文の「拝借主義」 170
2. 「外国語」「外国人」「国際人」の記号化 174
3 「環境」問題の記号化 180
4 戦争・平和・憲法 184
5 社会的性(差)〔ジェンダー〕 188
6 広告――消費社会のシンボル 191
7 その他 193
4節 総括 196
III 部 「英語教師としての自画像」を考える 211
11章 ある英語教師の半世紀 212
1節 「宙吊り教師」の履歴書 212
1 昔も今も 212
2 私の履歴書 214
2節 南山学園の教師となる 215
1 1952 年 4 月 215
2 中学・高校の教師として 215
3 「雑談」を通して 216
3節 はじめて使った教科書 218
1 『グローブ・リーダー』 218
2 “ Eureka! ” 218
3 教授法のモデル 219
4節 教え子たちの贈り物 220
1 「教育」しない教育 220
2 誕生日の贈り物 221
3 It smells spring. 222
5節 留学前後 223
1. 壁に突き当たる 223
2. British Council Scholar として 224
3. 「留学」は、私にとってなんだったのか 225
6節 続・留学前後 226
1 ウェールズとマルタ共和国へ 226
2 多言語国家イギリス 227
3 ドン君のこと 228
4 短大に移る 229
7節 激動の 70 年代を迎えて 229
1 箱根の山を越える 229
2 「植民地教育」ということば 230
3 日本人の書いた「英語社会論」 231
8節 英文学科の教師となる 232
1 鶴見女子大学英文学科 232
2 NHK の通信高校講座 234
3 教科書の執筆者となる 234
9節 映像に身をさらして 235
1 ほほえむことの意味 235
2 見られることの意味 236
3 ことばが身体からはなれる 237
10節 検定教科書『ニュー・クラウン』 238
1 戦後英語教科書史の分水嶺 238
2 「英語で多言語・多文化主義」の自己矛盾 239
3 私にとっての『ニュー・クラウン』 240
11節 最後の勤務校:成城大学 241
1 鶴見から成城へ 241
2 入試問題の改革 242
3 成功した授業 243
12節 人生にたいする「いとおしさ」を 244
1 自由な環境で 244
2 英語社会学の提唱 245
3 本質を求める学生 246
12章 講演:私にとっての中野好夫――英語教師像の原風景 248
1節 「恩師」中野好夫 248
2節 中野好夫はどう生きたか 249
3節 戦中戦後の中野好夫 258
4節 私にとっての中野好夫 264
あとがきにかえて――「英語論」小史 269
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