[目次] まえがき 011
序 情緒―描出から感情―表現へ 019
はじめに 019
1 「情緒―描出」から「感情―表現」への転換 022
2 「表現の原理」=「疾風怒濤」期の音楽 024
3 近代芸術音楽への転換期 025
おわりに 028
第1部 近代芸術音楽思想の展開 031
第1章 音楽における自然 032
はじめに 032
1 芸術的形成の理想としての自然 033
2 人間精神の所産としての音楽 037
3 人間の自然な音の感受性 039
4 「音楽における自然」への転換期以前 044
5 情緒―描出から感情―表現へ 049
6 「音楽における自然」の発見=「疾風怒濤」期の音楽 051
7 近代芸術音楽の黄金時代へ 057
おわりに 模索すべき(?)「音楽における自然」 058
第2章 ドイツ観念論と音楽 066
はじめに 066
1 芸術音楽の黄金時代――ウィーン古典派 067
2 器楽の形而上学的世界――ドイツ・ロマン主義の音楽思想 070
3 ドイツ観念論の音楽哲学 073
おわりに 古典主義的音楽哲学の完成――近代芸術音楽の哲学的定式化 088
第3章 シェリングの音楽哲学 093
はじめに 093
1 同一哲学としての『芸術哲学』における芸術の規定 096
2 同一哲学の体系に基づくポテンツ化理論による全芸術世界 099
3 音楽の構成―リズム、リズムのモード化、メロディ、ハーモニー 104
4 音楽の対照的な位置づけ 109
おわりに 112
第4章 ヘーゲルの音楽哲学とベートーヴェン 116
はじめに 116
1 「ロッシーニ陶酔」とヘーゲルの音楽趣味 117
2 器楽の時代到来とロマン主義者の器楽崇拝 120
3 ヘーゲルの器楽理論とその問題点 124
4 ヘーゲルの同時代音楽批判とベートーヴェン 128
5 暗黙のベートーヴェン批判? 130
6 雄弁なる沈黙 134
第2部 近代芸術音楽展開の思想 139
第1章 絶対音楽の美学 140
はじめに 140
1 一つの統一体としての古典派とロマン派の音楽――器楽の時代 142
2 絶対音楽という概念――その出自と展開 144
3 絶対音楽のルーツとしての交響曲の理論――「器楽の形而上学」 148
4 器楽の内在的論理による世界――ベートーヴェンの第五交響曲 154
5 音楽的ドラマの世界としての絶対音楽 158
おわりに 162
第2章 ドラマ的交響曲像への転換 168
はじめに 168
1 モデルとしてのショーペンハウアーの芸術哲学 171
2 ショーペンハウアーからの影響と自己流解釈 173
3 ショーペンハウアーの器楽対象の音楽論とそれへの矛盾 179
4 ドラマの概念の問題 182
おわりに ドラマ的交響曲像への転換 186
第3章 標題音楽について 190
1 新しい標題音楽としての交響詩 190
2 ワーグナーの論文「F. リストの交響詩について」――ドラマ的音楽論 194
3 絶対音楽と標題音楽の問題 201
4 ワーグナーのショーペンハウアー受容 204
おわりに 混迷の中の標題音楽論 207
第4章 ベートーヴェン神話の形成と支配 212
はじめに 212
1 悲劇的な英雄音楽家の理想像の形成 213
2 ベートーヴェンの音楽の美学的意義づけ 219
3 ベートーヴェン神話の完成 226
4 ドイツ・ロマン主義の求めた「新しい神話」のアナロゴンとしての 「ベートーヴェン神話」 233
おわりに 「ベートーヴェン神話」の喪失――現代芸術音楽の迷走 236
第3部 近代音楽学の成立 241
第1章 近代音楽学の成立をめぐるドイツ音楽思想の展開 242
はじめに 242
1 近代音楽学の本格的な成立 244
2 ドイツの諸大学における音楽関係の講義の変遷 247
3 十九世紀のドイツにおける音楽思想の展開 253
4 実証主義の音楽理論 260
5 二十世紀への道 265
おわりに 267
第2章 アードラーの「音楽学」の体系法について 271
1 近代音楽学の成立 271
2 音楽学の体系化構想 275
3 音楽学の体系の有する諸問題 280
おわりに 283
第3章 音楽学と芸術学 286
1 自立の主張――芸術学と音楽学の成立 286
2 芸術学 対 音楽学――体系的理論的側面から 292
3 芸術学 対 音楽学――歴史的研究の側面から 299
おわりに 305
第4部 音楽における近代と現代 309
第1章 二十世紀モダニズムの音楽論 310
1 モダニズムの「新音楽」探求の時代 310
2 ブゾーニのモダニズムの「新音楽」論 313
おわりに 二十世紀モダニズムの音楽意識のドキュメント 318
第2章 モダニズムの中のアンチ・モダニズム 320
1 「実用音楽」=厄介な概念 320
2 「新音楽」への危機感 321
3 「実用音楽」=アマチュア・共同体の音楽 323
4 一九二〇年代以降の音楽の動向 326
おわりに モダニズムの中のアンチ・モダニズム 328
第3章 音楽における近代と現代 330
1 現代の音楽事情 330
2 伝統の変革(I)――現代音楽の出発点〈第一次前衛〉 334
3 伝統の変革(II)――現代音楽の出発点〈第二次前衛〉 342
4 現代音楽〔近代音楽〕の系譜 349
5 音楽における近代と現代 360
あとがき 366
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