作品とコンテクスト
フランシス・ベイコン《磔刑》
暴力的な現実にたいする新しい見方

[著者]イェルク・ツィンマーマン
[訳者]五十嵐蕗子五十嵐賢一

ぼくの作品が暴力的だと人から言われると、ときどき思うんだ。
ひょっとすると、これでベールとかスクリーンを1枚か2枚ははぐことができたかなとね。

(デイヴィッド・シルヴェスターとの対話におけるフランシス・ベイコンの言葉)

暴力に晒され、暴力に苛まれる人間の姿を描き続けた20世紀絵画の巨匠フランシス・ベイコン。ナチスによる残虐行為をテーマに潜ませたこの絵を、ドイツ人である著者が詳細に腑分けし、画家が切り拓いた「現実にたいする新しい見方」を探り出す。

定価=本体 2,200円+税
2006年2月25日四六判並製/144頁+カラー折込図版/ISBN978-4-88303-169-6


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[目次]
第1章 ぼくは何も語らない  6
第2章 きわめて統一のとれた明快な背景  8
第3章 すばらしく便利な架台  19
第4章 筆のひと掃きの行方  25
第5章 生か死かは、投げられたコインの裏表32
第6章 腕のまわりの赤  39
第7章 口の形はどのように変質してゆくのか  56
第8章 何かをするでもなく  62
第9章 絶対絵画へのアプローチ  71
第10章 人間の行動のひと幕  74
第11章 強調され、かつ孤立した位置  76
第12章 ストーリーを語らずに多くの人物を描く  100
第13章 くりかえし新しく創出されるリアリズム  104

訳者解説   111
参考文献  130
年譜132
ドイツにあるフランシス・ベイコンのその他の作品  135
図版出典リスト  136

 (表題作品のカラー折込図版を巻末に収録)


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