旅を糧とする芸術家

[編著者]小佐野重利

芸術家の移動をめぐる、かつてない論集────
古くより芸術家は活躍の場を求め、また研鑽を目的に、他国へと旅立った。美術の発展にとって彼らの移動はまちがいなく重要な役割を果したが、それが形象や図版の伝播の根拠として安易に語られてきた面も否めない。その反省の上に立つ時、美術の発展を描く歴史地図に「芸術家の旅」をいかに具体的に書き入れることができるだろうか?

定価=本体 3,400円+税
2006年12月20日/A5判上製/336頁/ISBN978-4-88303-170-2


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[目次]

小佐野重利  序文 7

第一部 総論

小佐野重利  美術の展開に果たした芸術家の旅行の意義 11

 

第二部 各論

秋山聰  さまよえるヤーコポ・デ・バルバリ――「学識ある画家」がアルプス以北に与えた衝撃 87

中村俊春   一六〇三年のルーベンスのスペイン行と二点の絵画 121

マリ・ピエトロジョヴァンナ  イタリアへの旅――一六世紀後半にローマとヴェネツィアを旅した北方画家たち (京谷啓徳 訳)  165

楠根圭子  ベラスケスのイタリア旅行 183

阿部成樹   横断と遡行――一八世紀フランスの画家たちとイタリア 213

第三部 資料

楠根圭子 訳   ベラスケスのイタリア旅行に関する記述――フランシスコ・パチェーコ、アントニオ・パロミーノおよびジュゼッペ・マルティネスによる 267

小佐野重利 監訳   モーリス・ドニの第二回イタリア滞在――1897〜98年 297

芸術家名索引 i


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