[目次]
凡例 2
はしがき 9
序論 統合原理としての「国語」への回帰 14
1 はじめに──「二一世紀日本の構想」の浸透 14
2 二〇〇一年度から二〇〇三年度の言語問題 21
1 諮問『これからの時代に求められる国語力について』にいたるまで 22
2 諮問『これからの時代に求められる国語力について』の内容 24
3 答申『これからの時代に求められる国語力について』 28
4 全体としての批判 35
5 文化審議会答申における「国語」と「日本語」 41
3 おわりに──多言語社会日本と言語権の問題 43
第1部 近代化・帝国化する言語──国語・日本語の機能
第1部 まえがき 56
第1章 言語的暴力をおおいかくすもの 59
1 はじめに──ことばと暴力と日本語 59
1 ことばが暴力をもつこと─共同体の言語所有 59
2 ことばが暴力をもつとき──多言語社会と言語問題 62
2 近代国民国家と「国語」 64
1 「国語」の整備──共時性と通時性もしくは制度と歴史 64
2 「標準語」・「方言」・「口語」 67
3 帝国と「日本語」 71
1 植民地支配と言語──「国語」がうばうもの 71
2 帝国支配と言語─ 「日本語」がうばうもの 73
3 「国語」・「日本語」がもたらしたもの 74
4 おわりに──多言語社会日本と日本語 76
第2章 言語の帝国化 82
1 はじめに──帝国の多言語性 82
2 言語の近代化 87
1 「俗語」から「国語」へ 87
2 近代日本における言語と民族 91
3 言語の帝国化 93
1 「国語」が国家をこえる力としての「普遍」 93
2 「国語」を国家内にとどめようとする力 98
4 帝国化した言語と帝国内諸言語 103
1 帝国公用語とバイリンガリズム 104
2 活性化する帝国内諸言語 111
5 おわりに─ 多言語性の帝国 115
第3章 一体化する言語と文化 128
1 はじめに 128
2 言語と文化の一体化 130
1 国語教育と近代 130
2 植民地における国語教育と文化 136
3 文化政策の登場 142
1 日本精神論の隆盛 142
2 「大東亜共栄圏」における日本精神論と文化交流 144
4 植民地近代と文化 147
5 おわりに 149
第2部 脱帝国化する言語──国語・日本語が刻印したもの
第2部 まえがき 158
1 「敵対的共犯関係」 158
2 「配電システム」 161
3 「残滓」か「遺産」か 165
第4章 「配電システム」移植の前提 171
1 はじめに 171
2 約一〇〇年まえの国語国字問題──日本のばあい 172
1 国語国字問題年表(一九〇四年〜一九〇五年) 172
2 調査・整理統一の時代 173
3 教科書表記をめぐる論争──植民地教育への視座 176
3 約一〇〇年まえの国語国字問題──朝鮮のばあい 182
1 朝鮮語文体の問題 182
2 教科書の編纂 183
3 教科書一元化へ 186
4 おわりに 187
第5章 「日本語」という「配電システム」 193
1 はじめに 193
2 「配電システム」の再生産 196
1 再生産の前提 196
2 帝国大学という場 200
3 「配電システム」と京城帝国大学 206
4 「朝鮮語」という「配電システム」 213
5 排除される「配電システム」 220
3 「配電システム」の継承 222
1 「残滓」としての「日本語」 222
2 「残滓」清算後の「配電システム」 224
3 「配電システム」としてではない「日本語」──韓国・中国、そして台湾 235
4 おわりに 238
第3部 「配電システム」というくびき
第3部 まえがき 250
第6章 「琉球語」の不在──服部四郎を軸にして 263
1 はじめに──「沖縄方言」か「琉球語」か 263
2 一九四五年までの議論 268
1 「程度問題」としての「言語」と「方言」 270
2 「姉妹語」と「方言」──通時的観点か共時的観点か 275
3 「言語」であることの拒否──身体化される「方言」 280
4 共時的かつ通時的 284
5 教育の場で 288
3 一九四五年以降の言説 290
1 独立の象徴としての「琉球語」 290
2 きえた「琉球語」 297
3 「起源論争」への関与 304
4 沖縄と「共通語」 312
5 言語年代学のその後 321
6 理論家としての服部 325
4 おわりに 333
結論──近代日本言語史の構図 351
初出一覧 368
あとがき 371
著者紹介 374 |