[目次]
はじめに 9
第1章 ヴァラッロのサクロ・モンテの現状と先行研究 15
第1節 巡礼地の現状と造営略史 15
第2節 先行研究史 24
第3節 対抗宗教改革と予型論図像 28
第2章 サクロ・モンテの生成 37
第1節 サクロ・モンテの創建 37
第2節 フランシスコ会による初期構想 45
1 聖地の再現 45
2 「天上のエルサレム」への道 58
3 「偉大なる山の劇場」 67
第3章 サクロ・モンテの変貌 87
第1節 教会財産管理委員会によるサクロ・モンテ再編 87
1 建築家ガレアッツォ・アレッシによる『信仰の神秘の書』 88
2 建築家マルティーノ・バッシによるアレッシ案の修正 104
第2節 ノヴァーラ司祭によるサクロ・モンテ再整備構想 114
1 ノヴァーラ司教カルロ・バスカペーの関与 114
2 礼拝堂造営に関する指示 116
3 バスカペーの指示書にみる山頂部の礼拝堂配置案の変遷 122
4 山上の理想都市 130
第3章 対抗宗教改革期における北イタリアのサクロ・モンテ 139
第1節 一六世紀後半におけるヴァラッロのサクロ・モンテの再興 139
1 カトリック改革 139
2 対抗宗教改革期の芸術観 144
3 カルロ・ボッロメーオのサクロ・モンテ巡礼 148
第2節 対抗宗教改革期のサクロ・モンテ 159
1 新しいサクロ・モンテの開設 159
オルタのサクロ・モンテ―アッシジの聖フランチェスコの生涯 160
クレアのサクロ・モンテ―聖母の生涯 162
マッセラーノのサクロ・モンテ―聖フランチェスコと聖母マリア 165
ヴァレーゼのサクロ・モンテ―ロザリオの玄義 165
アローナのサクロ・モンテ―聖カルロ・ボッロメーオの生涯 167
2 対抗宗教改革のとりで 170
第3節 内部装飾の構成の複雑化 173
1 新しいサクロ・モンテの礼拝堂における内部場面 173
オルタのサクロ・モンテ 174
クレアのサクロ・モンテ 184
ヴァレーゼのサクロ・モンテ 188
2 ヴァラッロのサクロ・モンテにおける予型論図像 198
第5章 ノヴァーラ司教カルロ・バスカペーによる再整備構想 215
第1節 トレント公会議の綱領の適用 215
第2節 巡礼地の再興 230
第3節 イメージの受容 234
1 障壁の設置 234
2 聖なるものと俗なるものの分離 245
3 聖なるイメージとの距離 249
第6章 第三六礼拝堂〈カルヴァリオへの道〉―予型論図像と「キリストのまねび」の可視化 255
第1節 礼拝堂の概要 255
第2節 〈カルヴァリオへの道〉礼拝堂の実現過程 263
1 「十字架を担うキリスト」の場面の山頂部への移転 263
2 礼拝堂の竣工 269
3 場面構成に関する指示 273
4 フレスコ画に関する指示 280
5 画家の交替とフレスコ画の場面構成 283
第3節 銘文と額絵 291
1 銘文における十字架と受難の暗示 291
2 額絵 301
第4節「キリストのまねび」の可視化 309
1 「十字架を担うキリスト」の図像伝統におけるキレネのシモン像 309
2 像と絵画の一体化と巡礼の視線の動き 315
第7章 第二七礼拝堂〈ピラトの審問所〉におけるタンツィオ・ダ・ヴァラッロの貢献 321
第1節 タンツィオ・ダ・ヴァラッロ―略歴と先行研究での位置づけ 321
第2節 〈ピラトの審問所〉礼拝堂造営の経緯 326
1 造営前史 ― 旧「ピラトの官邸」 326
2 山頂部の「ピラトの官邸」の実現 330
第3節 「卓越したマエストロ」 333
第4節 内部場面の構成 343
1 内部場面の現状と制作における課題 343
2 タペストリーと天使 355
第8章 第三四礼拝堂〈手を洗うピラト〉の図像プログラム 369
第1節 バスカペーの指示による礼拝堂 369
1 一六一七年のサクロ・モンテ 369
2 バスカペーによる図像案 373
第2節 〈手を洗うピラト〉礼拝堂 387
1 内部場面の制作の経緯 387
2 「手を洗うピラト」の図像伝統と第三四礼拝堂の場面構成 389
第3節 〈手を洗うピラト〉礼拝堂の図像プログラム 401
1 副次的モチーフの同定 401
2 全体構想における〈手を洗うピラト〉礼拝堂 416
注 425
あとがき 509
表および資料 72
図版リスト 55
文献リスト 33
関連年表 27
礼拝堂説明 14
人名索引 9
[付録]一五一四年の案内書「これなるはヴァラッレの山の上なる信仰の神秘である」 1 |