ヴァラッロのサクロ・モンテ |
北イタリアの巡礼地の生成と変貌 |
[著者]大野陽子
「これなるはヴァラッレの山の上の信仰の神秘である」────
北イタリア・ヴァラッロのサクロ・モンテは、15世紀にエルサレム巡礼の代替となるカトリックの「新しい聖地」として造営が開始された。山上に建設された45ほどの礼拝堂には等身大像と壁画によりキリストの受難の場面が再現され、巡礼は黙想しながらそれらを辿る。しかし、エルサレムの再現を目指した当初の計画は、16世紀、宗教改革に対抗するべく「予型論」をもとにした新たなプログラムが導入され、変革が図られていく。
1980年のユネスコ世界遺産登録後も、いまだ日本では知られていない特異な聖地サクロ・モンテの歴史とその変容を初めて詳述する。
定価=本体 7,000円+税
2008年2月29日/A5判上製/606頁+カラー口絵24頁/ISBN978-4-88303-222-8 |