[目次]
序論 13
第1節 本書の目的 14
第2節 本書の構成 17
第3節 研究手法 20
第4節 先行研究 25
第5節 ベトナム少数民族概観 30
注 33
第1章 ベトナム民主共和国における民族確定作業 35
第1節 ベトナム民族学の誕生 36
第2節 中国の民族識別作業 40
中国における民族識別の理論と過程 40
中国の民族識別作業に関する先行研究 46
第3節 ベトナム民主共和国における民族確定作業 51
民族確定の目的 51
民族確定の指標 54
民族確定作業の過程と国勢調査 56
自意識「再生」と「同化・融合・凝集」というエスニック・プロセスの評価 62
民族確定の難しさ 66
注 68
第2章 ドイモイ下の少数民族援助・優遇政策 77
第1節 1989年の共産党政治局22号決議とその背景 78
第2節 「135プログラム」の目的と対象 80
第3節 「135プログラム」の結果 84
第4節 「135プログラム」の課題 91
第5節 「135プログラム」第2フェーズ 95
注 96
第3章 21世紀の民族確定見直し作業 97
第1節 1999年の国勢調査とサブグループからの不満の噴出 98
第2節 声をあげたサブグループ@カオランとサンチー 99
カオランとサンチーの概要と民族確定以前の位置づけ 102
カオラン・サンチーの民族確定の過程 107
@「サンチャイ」族の創造−母語とリンガ・フランカとの混同 107
A中華文明圏における「うち」「そと」と民族概念 111
B「カオラン」「サンチー」内部の多様性と民族名称の妥当性 115
分離要求の背景 117
地元の不満とガス抜きのための代表者会議 120
大物の意見と中央民族委員会の方針 122
第3節 声をあげたサブグループAグオン 124
グオンの概要 124
@呼称について 124
A来歴について 132
B言語について 134
グオンの民族確定の歴史 136
独自民族認定の要求と代表者会議の開催 139
グオンの不満 144
国会上程の頓挫 149
第4節 総括セミナーと国定民族成分リストの行方 150
第5節 声が届かないサブグループ 153
パジ 153
トゥーラオ 164
サーフォー 170
注 176
第4章 利用される「極少少数民族」オドゥ族 199
第1節 オドゥ族の居住状況 200
第2節 来歴をめぐる伝説 202
第3節 創られた「自称」 205
第4節 民族混淆状況と言語 207
第5節 オドゥ族の分類の歴史−“絶滅”の危機?− 211
第6節 激増する「オドゥ族」 214
第7節 降ってわいたダム建設 216
第8節 民族別「優先」移住と家族の離散−本当の危機− 218
第9節 オドゥ族への特別のプログラムとトゥオンズオン県の思惑 231
第10節 移住先でのオドゥ族と新たな民族間対立 236
注 240
結論 権益としての民族――国家・地方政府・当人たち 247
注 261
資料 263
[地図9]ベトナム全国の主な省名・省中心地名
[地図10]ベトナムの地方区分
[表21]国勢調査によるベトナムの国定民族別人口変動(1979, 1989, 1999)
[表22]1960年3月1日北部民族別人口
[表23]1974年4月1日北部民族別人口
「135プログラム」原文 政府首相の決定(135号/1998/Q?-TTG 1998年7月31日)
参考文献・インタビュー一覧 279
あとがき 294
人名・事項索引 299 |