作品とコンテクスト
クレー《大はしゃぎ》
芸術家としての実存の寓意

[著者]ヴォルフガング・ケルステン
[訳者]池田祐子

綱渡りをする人物
それは「近代」という危機の時代、そして
芸術家の実存の寓意


第二次世界大戦勃発後スイスに亡命したクレーは、自分の芸術の目的について自問した。そして彼は綱渡り師という象徴を拠り所とし、この作品を制作する。歴史に対峙し狼狽しつつも、自らの芸術家としての展開を想起する過程にその答えは存在した。

定価=本体 2,200円+税
2009年2月1日四六判並製/140頁+カラー折込図版/ISBN978-4-88303-239-6

※本書は、1997年に小社から刊行された同書のカバーデザインを新しくしたものです。


イメージを拡大

[目次]
 第1章 現代史に関する意識 5
 第2章 緊張をはらイメージの力学 11
 第3章 危うい綱渡り 19
 第4章 歴史風刺の伝統 25
 第5章 世界を超越した視点からの統合 35
 第6章 襲いかかる戦争 45
 第7章 寓意的な戦争イメージの類型 55
 第8章 死を告げる太鼓 61
 第9章 芸術の理想の疑わしさ 67
 第10章 悲劇的な自己主張 73
 第11章 歴史風刺の楽観主義 79
 第12章 戦争と芸術 87
 第13章 クレー芸術の行方 97

 訳者解説 105
 注 122
 クレーの生涯に関する年表 127
 精選参考文献(注解付) 130
 作品鑑賞の勧め 136
 掲載図版出典一覧 137

 (表題作品のカラー折込図版を巻末に収録)


HOME