[目次]
はじめに 5
序章 国民文学史の境界 〈プラハのドイツ語文学〉研究史をめぐって 11
1 沈黙する国民文学史 14
2 表現主義論争からカフカ会議へ 18
3 〈プラハのドイツ語文学〉の研究プログラム 26
4 プラハ・ドイツ語と逸脱論的思考 31
5 研究状況の拡散 37
6 プラハ神話とその機制 41
7 本書の課題 49
第1章 文化と政治 世紀転換期のプラハ・ドイツ社会 55
1 ある知的葛藤の風景 カフカのポラク宛書簡から 56
2 ボヘミアの民族対立とプラハ・ドイツ社会 66
3 文化の政治化 80
4 閉ざされた自助的社会 93
5 対抗文化の萌芽 100
6 文学研究と想像の空間 106
7 父親的世界を超えて 112
第2章 都市空間の近代化と〈魔都〉の表象 125
1 都市空間の歴史的形成 128
2 産業博覧会と衛生化措置 139
3 モダン都市への二重のまなざし 150
4 プラハ小説の系譜 164
5 制御不能性の表象 マイリンクの『ゴーレム』 170
6 室内と郊外 レッピンの『ゼヴェリーン闇をいく』 183
第3章 モダン都市と〈交通〉の表象 213
1 往来と娼館 カフカのパリ旅行から 214
2 流通するエロス キッシュの『娘飼い』 223
3 越境のユートピア ブロートの『チェコ人の女中』 248
4 〈交通〉のエスノグラフィー カフカの『失踪者』 275
5 都市経験と物語 むすびにかえて 311
あとがき 317
プラハ市街図(一九一三年版Baedekerによる) i
図版出典一覧 iii
参考文献一覧 v
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