[目次]
第1章 序論 9
1 研究のモチーフ 10
2 問題の提起――植民地における先進国なみの就学率 12
3 先行研究の検討 18
4 本論文の仮説及び研究視座 23
5 論文の構成 32
第2章 “民族の中へ”、そして“文明の中へ”――伊沢修二と草創期の国語教育 35
1 「植民地に非ず」の台湾統治構想――「同化」教育と伊沢修二 36
2 「一視同仁」の“民族への同化”――伊沢修二の国語教育構想 43
3 「混和主義」と二つの「同化」の推進 50
4 「混和主義」の終焉と「一視同仁」の変貌――伊沢修二非職後の国語教育 55
第3章 “民族の外へ”・“文明の中へ”――後藤新平、持地六三郎の教育構想 65
1 新たな統治方針の開始と頓挫 67
2 国語教育に関する後藤の構想――本音と建前 73
3 新たな「同化」論理の登場 79
4 “民族の外へ”・“文明の中へ”――持地六三郎の教育構想 84
5 「植民地教育」への転換とその結果 90
第4章 “文明の中へ”・“文明の中へ”――国語教育の草創期における台湾人の受容態度 99
1 明治期、「同化」教育に対する台湾人の受容 100
2 「同化」教育を受容する諸要因 107
3 “文明への同化”を積極的に受容する台湾人 114
4 統治者との同床異夢――「文明紳士」李春生の思想 121
5 「文明」を求める協力者の脅威 132
第5章 “文明の中へ”から“民族の中へ”――大正期、台湾の国語教育 141
1 大正期を迎えた台湾の国語教育 142
2 幻の「台湾版教育勅語」に見る「同化」教育方針の転換 150
3 新たな「同化」教育構想の実践 156
4 「普及の抑制」から「普及による抑制」へ――「同化」教育の転換 165
5 台湾教育令の制定及び改定 172
6 新たに構築された「同化」統治の態様 184
第6章 “文明の中へ”そして“(日本)民族の外へ”――「同化」教育に対する台湾人知識人の抵抗 193
1 旧世代の知識人と二つの「同化」――林献堂 195
2 新世代台湾知識人の課題――二つの「同化」に対抗する言語の創出 202
3 台湾における白話文普及運動の意義―「同化」統治体制への挑戦 211
4 蔡培火の台湾語ローマ字化運動―国語イデオロギーへの実践的批判 217
5 台湾白話字運動に対する統治者の弾圧から見た台湾統治の構図 227
6 “文明の中へ”に囚われた一連の言語改革運動の限界 234
付記 台湾話文について 248
第7章 “民族の中へ”、さらに“民族の中へ”――昭和期の国語教育 253
1 国語普及運動の実態 254
2 昭和期の国語普及運動と国語醇正運動 260
3 「一視同仁」の具現、義務教育――“民族の中へ”の完遂 269
4 皇民化運動の中の「同化」と台湾人 277
第8章 結論 293
1 明治期、台湾統治に現れた「同化」の系譜 295
2 「受容による抵抗」がもたらした「同化」の変容 297
3 “文明への同化”に対する強い志向 300
4 二つの「同化」と台湾の近現代 305
5 今後の課題 310
注 313
簡易年表 351
参考文献 361
あとがき 377
人名索引 381
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