[目次]
第1章 試験とは何なのだろう 7
1-1 試験の憂鬱 7
1-2 過去形で語られる「大学入試」 13
1-3 大学入試問題正解 18
入試の「攻略本」 18
入試問題を考える意味 25
1-4 正解と不正解の間 30
1-5 教育と試験 34
第2章 戦前の試験 39
2-1 試験という制度 39
2-2 近代日本と試験 44
2-3 「国語」の創生 49
2-4 明治と大正の試験 54
2-5 昭和前期・敗戦までの試験 62
「現代文」の試験 62
戦時下の試験 67
第3章 戦後の入試問題 75
3-1 戦後の教育課程と試験制度 75
3-2 エリートの残照(一九四五年〜五九年) 83
敗戦直後の入試 83
旧制高校の名残 91
「国語」の力の低下 97
長くなる問題文 102
問題数の増加 108
3-3 新制高校の卒業生たち(一九六〇年〜六五年) 112
学習指導要領の改定 112
選択式の問題 116
傍線部を問う形式 120
揺れる入試問題の「中味」 133
3-4 「知性の反乱」とその後(一九六六年〜七五年) 140
大量生産される学生 140
マークセンス方式 145
早大入試問題の変遷 148
3-5 共通一次試験 マーク・センスと小論文(一九七六年〜八五年) 155
共通一次試験の導入 155
「小論文」の登場 162
国公立大学の二次試験 167
「正解」が決められない問題 171
一橋大の問題――共通一次の前後 179
教育不信と臨教審 184
3-6 バブル経済とその終焉(一九八六年〜九五年) 186
国公立大学の入試制度崩壊 186
センター試験への移行 190
入試方法の多様化と空欄補充問題 195
客観問題と小論文 204
3-7 「ゆとり教育」から教育崩壊へ(一九九六年〜二〇〇五年) 207
日本社会の「劣化」 207
教育産業の隆盛 214
説明好きな現代文 218
戦後入試問題のながれ 225
第4章 入学試験の現在と日本語の未来 229
4-1 試験問題の問題 229
「国語」の入試問題とは何か 229
難解な文章 233
大人の常識を子どもにおしつける 236
4-2 論述問題の問題 241
「小論文」再論 241
推薦入試とAO入試 244
4-3 大学入試問題と日本語の未来 250
入学試験の無効化 250
日本語の未来 255
あとがき 259
注 265
参考文献 283
索引 293 |