廃娼運動
竹村民郎著作集 T

[著者]竹村民郎

女性がその青春の終わりまでに、もはや一個の廃品でしかないという悲劇は、近代日本の荒廃を如実に物語っている。廃娼運動は、苦界に沈む女性の救済に献身し、この荒廃をもっともラディカルに告発しつづけた唯一の市民運動にほかならない。
「廃娼運動」「大連廃娼事始め」「廃娼運動思想の往還」ほか。

[紹介]
《神戸新聞》(2013年4月6日、記者:田中真治氏)→記事を読む

定価=本体 4,800円+税
2011年9月25日/A5判上製/488頁/ISBN978-4-88303- 293-8


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[目次]

第一部 廃娼運動 廓の女性はどう解放されたか
   廃娼運動 廓の女性はどう解放されたか 9
      第1章 娼妓解放の曙 9
      第2章 廓清旋風 46
      第3章 からゆき物語 73
      第4章 灰色の季節 97
      第5章 日本人のエロス 121
      第6章 「非常時」の性 142

第二部 大連廃娼事始め
   大連廃娼事始め 明治社会事業の一齣 173
   公娼制度の定着と婦人救済運動 二〇世紀初頭大連において 187
   公娼制度成立前後 二〇世紀初頭大連の場合 211
   廃娼運動思想の往還 満洲婦人救済会に関連して 227
   沖野岩三郎『娼妓解放哀話』解説 273
   一九二〇年代朝鮮人娼妓・朝鮮人問題と廃娼運動の関係 279
   売春防止法 293

資料編
   益富政助「公娼制度廃止論」(廓清会婦人矯風会廃娼連盟 一九二九年) 307
   島貫兵太夫「軍人と基督教?―?日露戦争と日本人」(日本力行会 一九〇五年) ?331
   人身売買禁布告(太政官布告 木更津県令発布 一八七二年一〇月二日) 359
   人身売買禁止(神奈川県権令大江卓 一八七二年一〇月一五日) 362
   男芸者取締通達(大阪府 一八七二年八月) 365
   私生児通達(太政官通達 神奈川県権令大江卓 一八七三年) 365
   妊娠御届(一八八〇年 366
   娼妓黴毒規則 布告書(一八八〇年) 367
   貸座敷引手茶屋娼妓 三渡世取締規則(一八八二年) 384
   貸座敷娼妓取締規則(一八八四年) 401
   芸妓取締規則(一八八四年) 416
   茅野駅前芸妓玉券 425
   契約書(娼妓)(一八九一年) 426
   曽根崎新地席貸組合同盟規約(一九一一年) 428
   曽根崎新地芸妓組合同盟規約(一九一一年) 448
   花柳病予防心得(第十三師団軍医部 一九一二年四月) 465

  初出一覧 478
  あとがき 479


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