[目次]
はじめに 1
1章 日本語学の「まなざし」 7
まなざし@ ことばへの過度の期待 8
国語科と日本語学 8
国民をつくる国語教育 12
国語の「美しさ」――敬語と女性語 18
ことばと文化/経済/権力 24
まなざしA 「日本語」としてくくらないこと 27
「日本語」の定義 27
民族と言語と 29
日本人の常識? 31
仮想される言語 34
言語の線引き 37
標準語と方言と 38
私の定義 42
まなざしB 「正しさ」は存在しない 46
「正しさ」は相対的なもの、なのか 46
辞書と「正しさ」と 48
規範と基準のあいだ 57
まなざしC 時代状況との距離 59
時代と学問 59
時局と学問は切断できるのか 62
2章 日本語学の「知のわくぐみ」 67
わくぐみ@ 「ことばとは何か」を問うこと 68
比較言語学のあり方への反省 68
新村出の場合 71
山田孝雄の場合 73
わくぐみA 「日本の言語学」を考えること 78
亀井孝「日本言語学のために」 78
時枝誠記『国語学原論』 84
時枝誠記の陥穽 92
「ことばとは何か」を求めること 96
わくぐみB 日本語学の系譜を追うこと 100
一九三〇年代という時代 100
佐久間鼎と日本語学 101
日本語の健康化へ――国家総動員のなかの日本語 104
佐久間鼎の継承――日本語学の現在 108
主語は不要か――意味の過剰 111
「自然な日本語」とは何か 117
わくぐみC 現在から過去を直視すること 119
3章 日本語学の「知の回路」 121
回路@ 日本言語学のために 122
回路A 国民国家論・帝国論 126
『想像の共同体』と言語 126
『「国語」という思想』と『日本語が亡びるとき』 128
「国語」に思想はあるか――制度としての「国語」 130
国民国家と言語 132
帝国史のなかの日本語 134
回路B 多言語社会論 136
日本の多言語社会論 136
移民国家論の排他性 139
多言語社会と変化する日本語 143
回路C 表記論 147
4章 ガイドなのか判然としないブックガイド 153
あとがき 160 |