[目次]
はじめに――ことば/権力/差別をとうこと 9
第1章 エスノメソドロジーから見た「言語問題」(山田富秋) 23
1. 「言語問題」とは何か? 23
2. 「言語管理」という理論転換の社会学的意味 25
3. 社会的に構築されるものとしての「規範」 28
4. 政治的問題としての言語問題 34
5. 「権力作用」とコミュニケーション 38
第2章 言語権と人権・平等(渋谷謙次郎) 43
1. はじめに 43
2. 言語権とはなにか 44
3. 平等と言語権 56
4. まとめにかえて 62
第3章 言語権の社会学的意義(ましこ・ひでのり) 65
1. はじめに 65
2. 言語権概念の位置どりと政治的環境 67
3. 言語権概念の社会学への衝撃と諸課題 72
第4章 「言語=通貨」論再考――地域通貨論が言語の経済学に問いかけること(木村護郎クリストフ) 79
1. 言語権と言語の経済学 79
2. 言語と通貨はどこが似ているのか 81
3. 言語の経済学に登場する通貨論のパターン 82
4. 地域通貨の背景と特徴 88
5. 地域通貨論の視点 92
6. 地域通貨と少数言語の連携は可能か 103
7. 言語の経済学の深化に向けて 104
第5章 言語権から計画言語へ(かどや・ひでのり) 107
1. 言語権/言語差別という概念 107
2. 言語差別のあらわれかた 110
3. 構造化された優位性 112
4. 第一言語話者がもつ権力 114
5. あゆみよらせる力―コミュニケーションの個別状況における権力 117
6. 第一言語話者不在のコミュニケーション 119
7. 英語は平等をもたらすか? 121
8. 計画言語という選択肢 125
第6章 漢字という障害(あべ・やすし) 131
1. はじめに 131
2. 盲人に対する障害物としての漢字 132
3. さまざまな文字弱者をうみだす漢字 144
4. 漢字弱者の解放にむけて 153
5. 終わりに――漢字という不安 159
第7章 ポライトネス研究における自明性の破壊にむけて(山下仁) 165
1. はじめに 165
2. ワッツによる18世紀の英国におけるpolitenessについて 166
3. エーレンによるポライトネス理論批判 170
4. ブルデューの言語学批判 174
5. 「ディスコース・ポライトネス」の問題点 177
6. 山下の対照社会言語学的研究 183
7. まとめ 187
第8章 差別論をかたることば―『女性学年報』のこころみを例に(糸魚川美樹) 193
1. はじめに 193
2. 差別論における言語使用 194
3. 『女性学年報』のこころみ 196
4. 言語選択のイデオロギー 205
5. おわりに 212
第9章 聾教育という空間(金澤貴之) 217
1. 特別支援教育と聾教育 217
2. 「聾」をどのようにとらえるか――聾に関する社会学的研究 218
3. 民族的マイノリティとしての聾 222
4. 民族的マイノリティとの相違点――90%ルールの意味するところ 224
5. 聾教育という言説空間におけるプライオリティ 226
6. IT革命と聾教育 229
第10章 言語政策から言語権政策へ――カタルーニャの言語政策を事例として(塚原信行) 235
1. はじめに 235
2. カタルーニャにおける言語政策の特徴と到達点 237
3. 言語政策に対する批判 243
4. 批判をめぐる状況 246
5. 言語政策評価の基準としての言語権保障 250
おわりに――ことばにまつわる諸矛盾からの解放をもとめて 256
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