[目次]
はじめに iii
序章 先行研究の整理と本書の研究動機 001
第一節 「家庭」「家庭教育」概念とは 001
第二節 新中間層の登場 004
第三節 新中間層の母親を教育する必要性 009
第四節 新中間層の女性たちに接近した政策の理解をめぐる先行研究の検討 012
第五節 「教育する母親」への教育を試みた人物についての先行研究の検討 016
一、社会教育官 倉橋惣三をめぐる先行研究から 018
二、家庭教育相談所の青木誠四郎をめぐる先行研究から 021
三、日本両親再教育協会と上村哲弥をめぐる先行研究から 024
注 026
第一章 倉橋惣三における「家庭教育」の思想──社会教育官として 033
第一節 先行研究の動向──倉橋の「家庭教育」思想に関わって 034
第二節 倉橋による講演活動の概要 037
第三節 倉橋における「家庭教育」の思想──「家庭教育の二つの意味」 039
第四節 「家庭生活の教育性」──無意図的な教育現象 046
一、「人間交渉」 048
二、「現実性」 049
三、「家風」 053
第五節 倉橋の「家庭教育」思想における近代化批判──「生活改善」批判の発言から 057
参考 倉橋惣三(一八八二―一九五五)の経歴 065
注 068
第二章 青木誠四郎の教育相談──心理学者における「家庭教育」の思想 073
第一節 相談事業の歴史──大日本連合婦人会家庭教育相談所が設置されるまで 074
一、先行研究の検討から 074
二、相談事業の歴史──「健康相談」と「教育相談」の分化 076
第二節 大日本連合婦人会家庭教育相談所の設置 081
第三節 青木誠四郎の思想──先行研究における論点から 084
第四節 青木誠四郎による教育相談と家庭教育相談所の事業(その一)──懇談会活動 092
一、懇談会における啓蒙活動の概要 092
(一)一九三二年の「家庭教育相談懇話会」 093
(二)一九三三年の「中等学校入学準備相談会」 096
(三)一九三四年の「中等学校入学に関する懇談会」 097
(四)一九三五年の「入学準備の座談会」 099
二、懇談会の社会的背景としての競争状況 101
三、青木による競争状況の危惧と知能検査 103
第五節 青木誠四郎による教育相談と家庭教育相談所の事業(その二)──来所相談と誌上相談 105
一、来所相談の概要 105
二、誌上相談事例と教育環境としての母親への指導 107
(一)子どもの逸脱行動の要因としての「囲い込み」 108
(二)子どもの逸脱行動の内的要因と外的要因 110
(三)在宅の母親に求めた根気強い関わり 111
三、発達遅滞の子どもの発見と関わり 114
第六節 青木による教育相談(まとめ)──青木述「教育相談の現況報告」をふまえて 121
参考 青木誠四郎(一八九四―一九五六)の経歴 125
注 128
第三章 上村哲弥における「両親再教育」──その思想と活動 137
第一節 米国での「両親教育運動」 137
第二節 日本両親再教育協会の設立 142
一、会の命名の経緯 143
二、第一次『子供研究講座』刊行 145
三、月刊機関誌『いとし児』発刊 154
第三節 日本両親再教育協会における活動の展開 159
一、文部省の「家庭教育の振興」政策への反応 160
二、第二次『子供研究講座』刊行 164
三、満洲での活動の展開 168
第四節 上村哲弥の「両親再教育」思想 175
一、親たちに求めた「児童研究」の意味 175
二、「研究団体」構想 180
三、「研究団体」における「児童研究」 185
第五節 各地における支部の発足 191
一、杉本春喜の講演活動と国府津支部 192
二、門司支部 194
三、神戸支部 195
四、鹿児島・坂出での動き 197
注 200
終章 一九三〇年代日本における家庭教育振興の思想とは 209
注 215
資料 217
倉橋惣三 217
青木誠四郎 224
上村哲弥 230
その他 246
注 250
参考文献 252
はしがき 278
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