スーラとシェレ

画家、サーカス、ポスター

[著者] セゴレーヌ・ルメン
[訳・解説] 吉田紀子

厳密な色彩理論による点描絵画で新印象派を牽引したジョルジュ・スーラ。世紀末パリの大衆文化に輝きを添えたポスターの巨匠ジュール・シェレ。イメージ文化の花咲く同時代を生きた異分野の芸術家ふたりの美学的相関をスーラの未完の傑作《サーカス》を軸に考察する。

定価=本体 2,800円+税
2013年7月31日A5判上製/カラー口絵8頁+248頁/ISBN978-4-88303-328-7


イメージを拡大

 

[目次]

日本語版のための前書き  7
謝辞  10

序 スーラ、あるいは『知られざる傑作』のフレンホーフェル  11

第1章 サーカスをテーマとする大衆向け版画  27
   《サーカスの客寄せ》において掻き消された幕絵 27
   大衆向け版画とテクネー  30
   スーラのイメージ収集 34
   ガンペンリーダーの  36

第2章 シェレ、最初の「ポスターの巨匠」  45
   ポスター展とポスター収集、ポスター批評とポスター 48
   フェネオンの見たシェレ 55
   ユイスマンス、ロジェ・マルクス、「独立した」芸術としてのポスター  57
   ポスター・デザイナーのキャリアとそれが抱かせる幻想 66

第3章 シェレの秘密  71
   シェレの技術とカラー・ポスター 71
   近代性のテーマ ―パリのナイト・エンターテイメント  74
   素描家の筆致  76
   「思想を遠くへ投げつける」構図 79

第4章 サーカスと客寄せ ―歴史、記号体系、象徴  89
   パリ、「サーカスの都」 90
   追い鞭のいろは 101
   サーカスの詩学 103
   ロマン主義の風刺画  107

第5五章 スーラとサーカスのポスター  117
   演目型ポスターとプログラム型ポスター  119
   ポスターと定期市の幕絵  133
   ポスターと客寄せ芝居  138

第6章 スーラの選択  147
   ギャロップの誤り  148
   追い鞭のダイヤグラム  150
   造形的記号を求めて ―マティスの方へ  154
   自然主義の危機とクラウンの頭部 ―ユイスマンスの方へ  157
   帽子遊びと社会の「断面図」  166

結 世に認められた傑作  179

訳者解説  193
参考文献一覧  215
注  239


HOME