[目次]
まえがき 001
第1章 様式の基礎にあるもの――ジャコメッティの言葉に導かれて 007
ルーヴル美術館での前衛達 008
1 様式と模倣 014
ジャコメッティの様式観 014/二〇世紀美術とシュメール美術 016/
模倣の道筋にあるものとしての様式 019/ジャコメッティ芸術の歩み 024
2 ジャコメッティとともにルーヴルを歩く 027
チマブーエ 027/マンテーニャ 031/レオナルドとティントレット 035/ゴヤとコロー 041
3 「再現の芸術」の心理学的基礎 045
第三の道を目指して 045/再現の芸術の価値の再認識 048/再現と抽象との共通の基盤 050
4 装飾芸術の心理学的基礎 056
ラスキンの装飾美術論 056/リーグルの装飾美術論 058
5 様式の歴史性 061
二〇世紀における様式破壊 061/再びジャコメッティに帰って 064
5 ル・ナン 079
ル・ナン兄弟 070/干草車 071/農民の家族 074
引用文献 083/注 084 第2章 風景論としての風景画 089
1 哲学にとっての風景 089
窓から見える風景 089/風景の定義 091/カントの風景論 093
2 風景画の誕生とその展開 100
古代の風景画 100/風景画の黄金時代 102
3 人工的風景 108
セザンヌ 108/二〇世紀の風景画 112
4 山水画の変遷 115
宋の山水画 115/日本の山水画 120
5 風景画の現代 124
注 127
第3章 富岡鉄斎論――伝統と近代との逆説的結合 129
1 なぜ、鉄斎か 129
2 江戸期の絵画事情 131
江戸期の絵画的伝統 132/蕭白と若冲 133
3 江戸期の南画 136
尚南貶北 136/南画の起源 138/南画への毀誉褒貶 140/大雅、蕪村、玉堂 142/江戸期の南画 144
4 富岡鉄斎における南画 146
鉄斎の修業時代 146/鉄斎とリアリズム 151/世界の巨匠としての鉄斎 154
5 富岡鉄斎の思想 159
鉄斎の画賛 159/鉄斎の実生活 161
6 富岡鉄斎の実像を求めて 163
蘇東坡 163/花田清輝の鉄斎批判 165/岡本太郎の鉄斎批判 167/
完成された芸術、完成された人格 170
引用文献 173/注 173
第4章 すれ違ってしまった二つの青春――浅井忠とフェノロサ 175
1 浅井忠の青春 178
1-1 日本人と油絵 178/1-2 浅井忠の初期作品―農村風景の画家として 184/
1-3 従軍画家体験と外遊 186/1-4 グレー村での解放 189/1-5 早すぎた晩年 192
2 フェノロサの青春 193
2-1 岡倉天心 193/2-2 御雇い外国人フェノロサ 197/2-3 『美術真説』 200/
2-4 フェノロサが日本で見たもの 208
3 すれ違いになった二つの青春 216
注 219
第5章 西洋の呪縛からの解放?――和辻における回帰と普遍志向 223
1 『偶像再興』 223
2 『ニイチェ研究』─近代の否定なのか? 近代の肯定なのか? 227
3 『古寺巡礼』─日本への回帰? あるいは近代の主張? 234
4 『日本古代文化』―新たなる普遍への歩み 244
注 254
あとがき 257
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