[目次]
まえがき 009
プロローグ
一九四一年の京城、ある日記、ある映画 017
天気、晴れ 017
映画、機械人間の内面あるいは外面 020
第1章 帝国日本の朝鮮映画、韓国映画史の苦境 029
1 韓国映画史は(不)可能か 030
2 協力とは何か 041
第2章 協力の心情――〈志願兵〉前夜、あるいはメランコリーの日々 049
1 志願兵、国語、義務教育、そして公民権――兵站基地化と内地延長の「理想」 050
2 鬱病と植民地――鬱と去勢不安、『志願兵』前夜の顔 058
3 不可能な恋愛――憂鬱の政治的根拠 069
4 志願兵に起て 100
第3章 協力の制度――『半島の春』とトーキー時代の朝鮮映画 103
1 「朝鮮」映画と朝鮮「映画」――固有なモダニズムと移植文化論 104
2 映画、テクノロジー、システム、そして国家――トーキー時代の映画作り 113
3 システムとしての国家――『半島の春』あるいは「二重言語映画」の問題 123
4 ローカリティー、消えるべき記号 132
5 「朝鮮映画株式会社」――半島映画のカタストローフ 144
第4章 帝国と朝鮮、啓蒙主体をめぐる競合――『家なき天使』を中心に 147
1 総督と文部大臣、検閲の二つの体系――一九四一年、統合期の朝鮮映画 148
2 『家なき天使』検閲事件の影響――動揺する朝鮮映画の新体制 151
3 本当に朝鮮語が問題視されていたのか――分割のメカニズム 159
4 統合の理想と分離の物語――外部なき被植民地主体の可能性と不穏性 170
5 「新しい父親」探しの極点、父を自任する植民地の主体 177
6 韓国映画史の文法、リアリズム論という方法、あるいは価値 183
7 二つの国家、一つの主体 188
第5章 帝国とローカル、変転する物語――『孟進士宅の慶事』をめぐる民族表象 193
1 誤認としての伝統――帝国のローカルから民族の再現へ 194
2 誤認と同意――替え玉の反乱、公共圏を横断する記号 201
3 プリミティヴへの情熱――自己民族誌と植民地の男性性構築 207
4 再教育の時間――民族、避難地からの発見 223
5 朝鮮ブーム、韓流の断崖 229
エピローグ 映画、国家、そしてトランスナショナルな旅 231
原註 xi
参考文献 v
索引 i |