多言語社会日本

その現状と課題

[編]多言語化現象研究会

いま、多言語化、多言語社会、多言語主義、多言語政策、多言語サービス…、「多言語」が飛びかっています。本書は、移民の増加とともに日本で進行しつつある「多言語化」をキーワードに、日本語・国語教育、母語教育、言語福祉、言語差別などをわかりやすく解説する「多言語社会」言語学入門書です。

→本書を授業で用いるための「教師用手引き」PDF

定価=本体 2,500円+税
2013年9月10日A5判並製/294頁/ISBN978-4-88303-349-2


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[目次]

はじめに 多言語社会日本――その現状と課題 ◎多言語化現象研究会 003

第 1 章 多言語社会のとらえかた――いくつかの視点◎庄司 博史  011/
   1.1. 多言語社会とはなにか 011 / 1.2. 多言語状況 015
   1.3. 多言語能力・多言語使用からみた多言語性 017 / 1.4. 多言語主義・多言語政策 019/
   1.5. 意識上の多言語性 023 / 1.6. 日本の多言語性をあらためて考える 027

第 2 章 言語マイノリティ―地域的少数言語を中心に ◎ 原 聖 029
   2.1. 少数派、少数派言語の考え方 029 / 2.2. 少数言語擁護のとりくみ 031 /
   2.3. 危機言語・先住民言語復興への取り組み 034 / 2.4. 文化的多様性と無形文化遺産  037 /
   2.5. 日本での取り組み 038 / 2.6. おわりに 042

第 3 章 国語と日本語政策 ◎安田 敏朗 044
   3.1. 国語ということば 044 / 3.2. 国語と国家と政策と―国語調査委員会 047 /
   3.3. 国語政策と方言、そして多言語性 050 / 3.4. 日本語政策 053 / 3.5. 多言語へのまなざし 056

第 4 章 多言語政策―複数言語の共存は可能か◎庄司 博史 058
   4.1. 多言語政策とは何か 058 / 4.2. 多言語政策の歴史―地域的少数言語にむけての多言語政策 060 /
   4.3. もう一つの多言語政策―非地域的少数言語 062 / 4.4. 多言語政策の見取り図 064 /
   4.5. 移民言語を対象とする多言語政策の課題 070

第 5 章 多言語サービス・多言語支援◎藤井 幸之助 073
   5.1. 言語政策としての多言語サービス・多言語支援 073 /
   5.2. 必要からはじまった多言語サービス・多言語支援 078 / 5.3. 多言語サービスと多言語支援 079 /
   5.4. 多言語サービスの形態 080 / 5.5. 多言語支援の形態 085 / 5.6. 多言語サービス・多言語支援の課題 086

第 6 章 移民の母語教育 ◎高橋 朋子 089
   6.1. 母語とは? 089 / 6.2. 母語教育 093 / 6.3. 母語教育の課題―これからの母語教育 102

第 7 章 日本語教育 ◎平高 史也 106
   7.1. 国語教育と日本語教育 106 / 7.2. 日本語教育の歴史 107 /
   7.3. 「生活者としての外国人」に対する日本語教育 109 / 7.4. 年少者のための日本語教育 111 /
   7.5. 日本語教育、母語教育、外国語教育 114

第 8 章 多言語能力と外国語産業 ◎岡戸 浩子 119
   8.1. はじめに―「英語」と「英語以外の言語」 119 / 8.2. 日本における言語能力のニーズ 120 /
   8.3. 日本人の外国語能力と外国語産業 125 / 8.4. おわりに―資産としての外国語 130

第 9 章 言語接触と言語混交◎ダニエル・ロング 133
   9.1. ことばの接触 133 / 9.2. 個人レベルで見られる言語混交の形態 135 /
   9.3. 言語体系レベルで見られる言語混交の形態 139 / 9.4. まとめ 143

第 10 章 エスニック・メディア―移民の言語活動とメディア ◎中野 克彦 146
   10.1. エスニック・メディアとは―媒体の種類と機能 146 / 10.2. 在日コリアンのエスニック・メディア 148 /
   10.3. 在日中国人のエスニック・メディア 150 / 10.4. 在日フィリピン人のエスニック・メディア 153 /
   10.5. 新たなメディアへの進出―エスニック放送とインターネット媒体 155 /
   10.6. エスニック・メディアと日本社会の多言語化 157

第 11 章 言語福祉という視点―情報弱者を生まないために ◎相澤 正夫 159
   11.1. 言語福祉の必要性 159 / 11.2. 言語福祉の実践例 163 / 11.3. 言語福祉から見た課題 171

第 12 章 言語意識とコミュニケーション ◎オストハイダ・テーヤ 174
   12.1. 「外国人」のイメージと実態 174 / 12.2. 日本における「外国人とのコミュニケーション」 176 /
   12.3. 日本語は難しい !? 180 / 12.4. 豊かな言語意識、豊かなコミュニケーション 183

第 13 章 言語差別とは何か ◎山下 仁 186
   13.1. 差別とはなにか 186 / 13.2. 言語差別について 191 / 13.3. 言語差別はなくせるか 197

第 14 章 言語コミュニティ  201
   14-1 節 中国系コミュニティ◎陳 於華  202
   14-2 節 コリアンコミュニティ◎宋 実成  207
   14-3 節 ブラジル人コミュニティ◎拝野 寿美子  215
   14-4 節 フィリピン人コミュニティ◎高畑 幸  222
   14-5 節 スペイン語コミュニティ◎塚原 信行  226
   14-6 節 ベトナム人コミュニティ◎川上 郁雄  229
   14-7 節 アイヌ語◎丹菊 逸治  233
   14-8 節 琉球◎石原 昌英  237
   14-9 節 日本手話◎平 英司  241

第 15 章 関連トピック  247
   15-1 節 日本の移民政策◎古屋 哲  248
   15-2 節 グラフに見える/見えない、移民の動態◎古屋 哲  253
   15-3 節 中華学校◎石川 朝子  259
   15-4 節 朝鮮学校◎藤井 幸之助  263
   15-5 節 ブラジル人学校◎小内 透  267
   15-6 節 夜間中学◎白井 善吾  270
   15-7 節 日本語学校◎福永 由佳  273
   15-8 節 司法通訳◎吉田 理加  276
   15-9 節 多言語日本と移民文学◎日比 嘉高  279
   15-10 節 多言語景観◎庄司 博史  283

おわりに ◎多言語化現象研究会  287

  執筆者紹介  288


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