[目次]
日本語版への序 i
序文 001
第1章 ヨーロッパにおける郵便制度の最初の世紀 007
郵便制度の「発明」 008
「Post」という語は何を意味するのか 009
中世の旅行者と情報の往来 010
郵便によるスピードの増加 011
組織上の革新としての宿駅 013
郵便制度発生のための諸条件 015
一四九〇年、ハプスブルク家の政治はなぜ郵便制度を必要としたのか 016
政治構造と情報伝達制度 019
必要な専門知識を持っていたイタリア出身のタクシス家 021
タクシス家が王マクシミリアンに雇われる 022
『メミンゲン年代記』に記載された一四九〇年の郵便 025
財務本庁の出納簿におけるマクシミリアンの郵便 026
期限に遅れがちな支払者マクシミリアン 030
タクシスと南ドイツの金融業界の大物たち 031
一五〇一年以降のタクシス郵便の中心地ブリュッセル 033
タクシス郵便の国法上の地位 035
タクシス郵便の最重要路線 036
一五〇五年以降のタクシス郵便の業績 039
一五一六年の契約による郵便事業の拡大 040
企業組織としての「会社」 042
オランダ、スペイン、イタリアの会社のメンバーたち 045
オーストリアとドイツの会社のメンバーたち 048
ドイツの郵便路線で特別な地位にあったアウクスブルク 051
帝国郵便と帝国都市―問題を孕んだ関係 053
カール五世の世界帝国における郵便の最初の盛期 054
レオンハルト・フォン・タクシス(在職=一五四三年―一六一二年)の時代の「郵便料金」と「送り主負担料金」 057
ハプスブルク帝国の分割による郵便危機 060
ネーデルラントの反乱とスペインの国家破産 061
「郵便改革」の開始 066
帝国郵便大権の問題 068
ドイツの宿駅長たちのストライキ 071
ヘノート、そして郵便が自力で資金調達する計画 074
一五八五年のイタリアの郵便小包 076
帝国郵便とタクシス家の保護者皇帝ルドルフ二世 078
タクシス郵便の一世紀とその結果 084
第2章 帝国郵便と郵便総裁職 一五九七年から一八〇六年のトゥルン・ウント・タクシス 087
郵便の普及と帝国郵便路線の分岐 088
郵便網拡充の諸問題 090
ブリュッセル―ヴェネチア国際路線の郵便 092
帝国郵便総裁職の世襲制―「タクシス郵便」 096
帝国郵便の経営者ヨハン・フォン・デン・ビルグデン 099
一六二〇年代における帝国郵便初期の絶頂期 101
三十年戦争時の郵便の女性リーダー、アレクサンドリーネ・フォン・タクシス 105
ウェストファリア和平会議での郵便 109
新郵便局はどのように経営されたのか 110
領邦郵便の競合 114
帝国国法学における皇帝の郵便大権の問題 119
国際的な郵便契約 128
十七世紀における書信輸送の安全性 130
収益を上げる企業としての郵便 134
啓蒙主義時代の「書簡文化」 138
一七四二年の皇帝選挙の危機 143
トゥルン・ウント・タクシスと秘密裏に行われた信書の監視 145
帝国郵便の改善努力 147
郵便馬車の発展 151
毎日の郵便 153
十八世紀末の道路状況の改善 155
トゥルン・ウント・タクシスの収入源としての帝国郵便 157
タクシスの直属統括郵便局と上級郵便局 160
郵便利益の地域別および構造的分布 163
雇用者としての帝国郵便 166
民営企業としてのトゥルン・ウント・タクシス侯への批判 169
フランス革命時における帝国郵便の遅咲きの盛期 175
リュネヴィル講和条約と帝国代表者会議主要決議 176
皇帝の退位と帝国郵便レーエンの消滅 180
第3章 トゥルン・ウント・タクシス郵便 一八〇六年―一八六七年 183
帝国郵便は帝国の崩壊を生き延びる 184
ナポレオン時代の郵便制度の分裂 185
ライン連邦のトゥルン・ウント・タクシス「連邦郵便」計画 188
ウィーン会議での郵便問題 191
トゥルン・ウント・タクシス郵便の領域 196
ドイツにおけるトゥルン・ウント・タクシス郵便の地位 200
ドイツ連邦のトゥルン・ウント・タクシス「連邦郵便」計画 203
トゥルン・ウント・タクシス郵便への一八四八年革命の影響 207
トゥルン・ウント・タクシス郵便の収益性 210
トゥルン・ウント・タクシス郵便の従業員たち 213
トゥルン・ウント・タクシスとドイツ郵便連合 217
技術革命―郵便馬車から鉄道へ 222
一八四八年革命後のトゥルン・ウント・タクシスの政策 225
一八六〇年代初期のトゥルン・ウント・タクシス郵便 227
トゥルン・ウント・タクシス郵便の終焉 227
トゥルン・ウント・タクシス郵便への追悼の辞 233
第4章 トゥルン・ウント・タクシス家の社会的上昇 企業史と家族史 237
十五世紀のスタート 238
イタリアの出自とタッシ家の国際性 242
タクシス家の移住 246
十六世紀初頭の貴族化 249
十六世紀におけるタクシス家の社会的環境 252
十七世紀初頭の帝国男爵身分と伯身分 253
「トゥルン・ウント・タクシス」という名称の皇帝認可 255
バロック時代の経営者 259
帝国諸侯身分への昇格 262
一七〇二年― 四八年 トゥルン・ウント・タクシス侯家の居住地フランクフルト 263
最初の皇帝特別主席代理職(一七四二年― 四五年)と帝国郵便の親授レーエンへの昇格 265
フランクフルトからレーゲンスブルクへの移住 267
帝国議会での常任皇帝特別主席代理職(一七四八年―一八〇六年) 269
帝国諸侯部会での議席問題 270
十八世紀後半における体面維持の課題 272
トゥルン・ウント・タクシス侯の廷臣団 278
一八〇〇年頃の損失の多い十年間 279
国家独立の喪失 281
(トゥルン・ウント・)タクシス家の婚姻 284
一八〇六年後の法的地位 287
十九世紀における社会的地位 290
十九世紀の宮廷社会におけるトゥルン・ウント・タクシス 293
二十世紀におけるトゥルン・ウント・タクシス 299
トゥルン・ウント・タクシス家の上昇―まとめ 301
第5章 領邦君主と土地所有者としてのトゥルン・ウント・タクシス 305
「領邦なき侯」 306
十六世紀と十七世紀における土地所有 307
シュヴァーベンにおける領邦建設の開始 309
一七八五年のフリードべルク・シェール伯領の購入 311
一七八六年のトゥルン・ウント・タクシスの領邦君主任命 314
小領邦の政府建設 315
理性の小国―「トゥルン・ウント・タクシス帝国領邦」の立法 317
一八〇三年の世俗化後のシュヴァーベンにおける領邦獲得 323
政府から直領地行政へ 326
バイエルンにおける新たな大土地所有者―一八〇八年の郵便国営化の結果 328
もうひとつの補償―プロイセンのクロトシン侯領 331
補償金の投資―ボヘミアの土地購入 332
ネーデルラントの所有地売却 335
土地購入決定のための基準 336
クロアチアにおける大規模な所有地取得 338
「不動産保有量変動会計報告」 340
一八〇六年―一九一六年の所有地収入 343
大土地所有者としてのトゥルン・ウント・タクシス 347
二十世紀初頭の農業 351
営林 353
第一次世界大戦後の東部における接収 356
二十世紀におけるドイツの私有大所有地 359
一九四五年以後の西方志向―海外の土地取得 360
森林所有と環境保護 362
今日の農業と不動産 363
郵便から土地所有へ 364
第6章 企業全体の歴史 367
トゥルン・ウント・タクシス―ひとつの企業? 368
企業の成長問題と構造改革 369
十八世紀における企業経営 373
一八〇〇年以前における郵便経営者のその他の事業 376
一七九三年までの総会計課と資本の蓄積 379
一七九四年―一八二九年における財務管理の危機の時代 384
新しい経営法―「直属事務所」の創設 387
一八二八年の企業・人事組織 390
一八二九年以降の「整理された会計」 395
「現金現在高決算」(一八二九年―七一年) 397
的確な投資の開始 399
郵便補償と土地負担償却による資本の発生 401
トゥルン・ウント・タクシスの大ドイツ主義政策 404
一八五〇年― 七〇年の「有価証券管理部」による投資 406
製糖工場主としての土地領主 408
鉄道建設へ続けられた出資 410
「ピルゼン鉱山監督局」(マティルデン鉱山) 413
一八七一年―一九一四年の整理された資本管理 415
私有財産宣伝活動家としてのグルーベン男爵 419
トゥルン・ウント・タクシス企業の「復古主義」 421
一九一八年以後の地方化 424
ドイツ連邦共和国における再興 426
企業部門 営林と木材業 428
企業部門 不動産と農業 429
企業部門 金融サービスと資本ポートフォリオ 431
「侯の」ビール―「トゥルン・ウント・タクシス侯ビール醸造会社」 432
企業部門 製造下請け業 433
トゥルン・ウント・タクシス企業の今日の経営 435
郵便企業から資産管理へ 437
結語 439
訳者あとがき 453
原注 68
参考文献 40
原典史料 36
略語 34
事項索引 31
人名・地名索引 1 |