現代イスラエルにおける
イディッシュ語個人出版と言語学習活動

[著者]鴨志田聡子

東欧系ユダヤ人の言語「イディッシュ語」。ユダヤ人の歴史と文化が凝縮された「日常の言語」であったイディッシュ語は、現在では「死にゆく言語」と見なされている。ユダヤ人にとってイディッシュ語とは? イスラエルでの参与観察による貴重な情報をもとに人と言語の関係を考察する。

定価=本体 3,500円+税
2014年2月20日A5判上製/176頁/ISBN978-4-88303-358-4


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[目次]

     はじめに 7

序章 11
     イディッシュ語について 11
     超正統派ユダヤ教徒のイディッシュ語 14
     現代イスラエルにおける東欧系ユダヤ人の位置づけ 15
     先行研究と本書の位置づけ 19
     調査について 20
     引用と表記の基本方針 24
     本書の構成 27

T イスラエルにおける「死にゆく言語」の現状 29
  1.1 イスラエルの主な言語とイディッシュ語 29
  1.2 「死にゆく言語」のための学校教育 36
  1.3 日常生活からかけ離れたイディッシュ語 40
     [1]イディッシュ語で子育てする世俗ユダヤ人 40
     [2]国会における「イディッシュ文化の日」 43
  1.4 研究、教育、文化活動におけるイディッシュ語 46
     [1]国立大学における研究と語学教育 46
     [2]非営利団体「若きイディッシュ」 48
     [3]劇団「イディッシュピール」 51
  1.5 話者の残された空間 54
     [1]「イディッシュ文化会」 54
     [2]「労働者の輪」 59
     [3]イディッシュ語専門書店「ペレツ出版」 62
     [4]イディッシュ語新聞『前進』と『最新ニュース』 64
  本章のまとめ 66

U 縮小再生産を続けるイディッシュ語個人出版 69
  2.1 個人出版の特徴と調査 69
  2.2 時代の変遷と個人出版 71
  2.3 個人出版の展開 73
     [1]第一期 1948(独立)〜1950年代 73
       a. 『イラスト週間新聞』Ilustrirter Vokhnblat(1948〜1949) 73
       b. 『最新ニュース』Letste Nayes(1949〜2006) 74
       c. 『黄金の鎖』Di Goldene keyt(1949〜1997) 77
       e. 『若きイスラエル』Yung Yisroel(1954〜1957) 80
     [2]第二期 1970年代 82
       f. 『我が家で』Bay zikh(1972〜1989) 82
       g. 『エルサレム年鑑』Yerusholaymer Almanakh 第T期(1973〜1998) 83
     [3]第三期 2000年代 84
       h. 『エルサレム年鑑』Yerusholaymer Almanakh 第U期(2003〜) 84
       i. 『コロン』Toplpunkt(2000〜) 87
  2.4 出版人とイディッシュ語 88
     [1]モルデハイ・ツァーニン 89
     [2]イツハク・ルーデン 98
     [3]ベラ・ブリクス=クレイン 99
  本章のまとめ 101

V 「魂」のための言語学習 103
  3.1 イディッシュ語学習活動について 103
  3.2 イディッシュ語を学ぶ理由 104
  3.3 「魂」に象徴される言語学習 106
  3.4 私的空間における学習活動 109
     [1]読書会の概要 109
     [2]題材と構成 111
     [3]主催者の理想と現実 113
     [4]参加者への聞き取り調査 114
          a. リフカ・コーヘン 115
          b. シュロモ・レルマン 116
          c. ノエミ・レルマン 118
  3.5 公的空間における学習活動 118
     [1]テルアヴィヴ大学のイディッシュ語夏期講座 119
          a. ゴールドライヒ協会と夏期講座 119
          b. 主催者の個人的体験と夏期講座の始動 120
          c. 寄付者について 121
          d. 受講生について 122
          e. 2007年の夏期講座の日程と内容について 124
          f. 講師について 126
     [2]「ショレム・アレイヘム・ハウス」の市民講座 128
     [3]ヘブライ大学における語学授業 130
          a. ハナン・ボルディン 132
          b. オレン・ロマン 133
          c. サミュエル・バルナイ 134
  本章のまとめ 135

結論 137

  おわりに 141

     注 146
     参考文献 158
     イディッシュ語関連年表(1882〜2009) 170


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