[目次]
序章 ピジン研究における英語とアカデミズムの桎梏 001
1 浜松ピジン 001
2 英語情報の偏重 002
3 卑俗な文章の軽視 003
4 本書の立場 003
5 「満州」 004
6 戦争・事件等の名称 005
7 引用の方針 005
第1章 日中語ピジン――「協和語」「兵隊支那語」の源 007
1 はじめに 007
2 横浜ことば 008
3 日清戦争 013
4 義和団事件 017
5 日本人の「満州」移住――日露戦争以前 019
6 日露戦争 020
7 日露戦争後――関東州・満鉄沿線 029
8 民間人の日中語ピジン 031
9 ピジン中国語の誕生と確立 037
第2章 「満洲国」のピジン中国語 039
1 都市部 039
2 農村部 062
3 日本人と接触のない者 075
4 日中間の使用言語 075
5 その他の使用相手 078
第3章 「満州」ピジン中国語と「協和語」 081
1 日本の文献に見る名称 081
2 「協和語」 090
補章1 「満語カナ」という名称 131
1 名称の変種 131
2 戦後の名称のゆれ 136
3 名称の確定――「満語カナ」 137
補章2 絵葉書資料 139
1 制作年の推定 139
2 満語カナ 141
3 絵の助け――発話場面の情報 142
4 資料の評価 145
5 資料の検討 150
6 研究資料としての可能性 151
第4章 「在満日本語」 152
1 標準語 152
2 方言の混交 153
3 中国語の混入 160
4 朝鮮語話者の影響 163
5 「在満日本語」――日本人の共通語 164
6 女性語 165
7 中国人向け日本語 169
8 中国人の日本語 170
9 文学への影響 173
10 「在満日本語」への評価 176
11 国語教育者の批判 178
12 ピジン言語への嫌悪感 181
補章3 中国語への影響 184
1 日本語の中国語への混入 184
2 中国人の共通語 186
3 中国語文学での使用 186
4 日本語要素の漢字表記 191
補章4 多言語社会「満州」のさまざまな言語接触 194
1 朝鮮語 194
2 モンゴル語 196
3 ロシア語 197
4 諸民族の離間政策 201
第5章 「兵隊支那語」 202
1 「満洲」ピジン中国語の定着 202
2 兵隊の「支那語」 202
3 大陸の日本陸軍 203
4 山東出兵 204
5 日中戦争 205
6 「満州」を経験した兵士 206
7 中国語の学習 206
8 「兵隊支那語」 215
9 「兵隊支那語」の使用場面 219
10 中国人からの発話 228
11 「兵隊支那語」と「満州」ピジン中国語との関係 230
12 社会的評価 231
13 話者の数 231
14 海軍の「兵隊支那語」 233
第6章 「兵隊支那語」の広がり 235
1 兵隊俗語 235
2 軍隊内への定着 238
3 陸軍の集団語 239
4 国内社会への浸透 240
5 中国語ブーム 250
第7章 『分隊長の手記』(正・続)に見る
「兵隊支那語」と兵隊俗語 252
1 会話場面 253
2 語彙集 259
3 特殊な振り仮名 284
4 アルヨ言葉 285
第8章 各地居留民のピジン――大陸ピジン中国語 287
1 日本人の居留地 287
2 上海―発展した租界 288
3 占領された諸都市 290
4 大陸各地のピジン中国語 303
5 ピジン中国語への社会的評価 303
6 大陸ピジン中国語の消滅 304
補章5 ピジン使用の背景――日本人・中国人の言語意識 306
1 正則の言語への移行 306
2 クレオール化 314
補章6 性的卑語 317
1 ピー 317
2 サイコ 323
3 ソーニーマー・マーラカピー 325
4 野鴨(ヤーチ) 327
5 性的卑語 328
補章7 筆談 330
1 筆談の失敗 330
2 成功した筆談 334
3 筆談の成否 337
第9章 ピジン中国語の残存語彙 338
1 日本語の中の残存ピジン中国語 339
2 中国語の中の残存ピジン中国語 355
3 日中の残存語彙の相違 363
第10章 虚妄のアルヨ言葉と直訳的アルヨ言葉 365
1 虚妄のアルヨ言葉 365
2 直訳的アルヨ言葉 380
3 アルヨ言葉の存在 386
補章8 候文――変体漢文 387
1 進上 387
2 さまざまな候文 389
3 候文とピジン 395
4 筆談 396
5 共通の特徴 397
6 候文の影響 399
7 変体漢文 400
第11章 戦時ピジン中国語の言語的特徴 403
1 ピジンと誤用 403
2 ピジンの多様性 403
3 3つのピジン 407
4 ピジン日本語かピジン中国語か 408
5 戦時ピジン中国語の特徴 410
終章 日本植民地ピジン研究の今後 446
1 未解明の問題 446
2 その他の地域のピジン 446
3 より広い範囲での意義 453
資料編?
資料解説 458
資料1 中谷螢光生「正しき支那語の話し方と日支合?語の解剖」 461
資料2 中谷鹿二『日支合?語から正しき支那語へ』 499
引用文献 551
あとがき 578
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