[目次]
口絵 II
図表一覧X
凡例 XI
序章 1
1.はじめに 2
2.「生を描く」とは何をすることなのか:エイジェンシー論再訪 3
2.1.エイジェンシー論の系譜 4
2.2.エイジェンシー論の課題 9
2.3.「近代」との関係:エイジェンシーに接する諸力の人類学へ 20
3.ライフ・ストーリーという方法 27
4.ヨルモ社会・本書の基づく調査・本書の構成について 34
第1章 ジェンダーをやる/やめる――ネパール・ヨルモ社会における女の実践、男の実践 43
1.はじめに 44
2.ジェンダーをやる:ジェンダーを構築する諸実践 49
2.1.世帯内の性別役割分業 50
2.2.ジェンダー化された家屋空間 55
2.3.世帯をこえる諸実践 64
2.3.1.仏教的実践 64
2.3.2.祭礼、葬礼、婚礼 68
2.3.3.その他の世帯を超える諸実践 72
3.ジェンダーをやめる:ジェンダーを脱構築する諸実践 77
4.結論 86
第2章 「私は行かないといった」――女性達の結婚をめぐる語りにみるエイジェンシー 91
1.はじめに 92
2.結婚をめぐる女性達の語り 99
2.1.抵抗の語り 99
2.2.忍従の語り 103
2.3.同意の語り 107
3.結婚をめぐる語りに見る女性のエイジェンシー 109
3.1.結婚に向けた女性の積極性:不在なのか? 110
3.2.ヨルモにおける婚姻の制度構造:女性の主体性という空白 115
3.2.1.ヨルモにおける「結婚」の語彙 115
3.2.2.規範的「嫁やり婚」とその外部 119
3.3.語る行為におけるエイジェンシー 127
3.3.1.「結婚に向けた積極的意思の否認」を語る行為 128
3.3.2.「結婚に向けた積極的意思の肯定」を語る行為 129
4.結論 132
第3章 嫁盗り婚の抹消――女性達の「語らない」エイジェンシー 137
1.はじめに:「語られない経験」としての嫁盗り婚 138
2.嫁盗り婚の経験をめぐる語り 142
3.なぜ、嫁盗り婚なのか?:嫁盗りに訴える理由 148
4.なぜ、語られないのか?:嫁盗り婚の制度的位置づけ 160
5.結論:女性が「語らない」理由 166
第4章 「女に生まれて厭じゃない」――女としての受難、女としての自己肯定―ダワのストーリー 171
1.はじめに:なぜ「女で満足」なのか 172
2.ある類いまれな抵抗:ダワのストーリー 175
2.1.結婚が決まる 176
2.2.結婚式からの逃走 177
2.3.逃走から定着へ 180
3.考察 184
3.1.ダワの受難:いかに「女として」なのか 184
3.2.なぜ「女であること」を肯定できるか? 192
4.結論:ダワのその後 201
第5章 「女は行かなければならない」――婚姻規範への(不)服従―ニマのストーリー 205
1.はじめに 206
2.「女は行く」規範をめぐる現実と構造 208
2.1.「女は行っている」か:未婚と既婚をめぐる現実 208
2.2.「女は行く」規範と連関する構造的諸条件 213
3.ニマの語り 217
3.1.なぜ結婚しなかったか@:老齢の父親、そして病 217
3.2.なぜ結婚しなかったかA:イタリア人の求婚者 220
4.考察:なお、なぜ「女は行かねばならない」なのか? 227
4.1.規範の肯定 228
4.2.自己のサバイバル 230
4.3.規範との折り合いをこえる 235
5.結論 238
第6章 お茶のカップは受け皿にのせて――世界/ヨルモの片隅で、フェミニズムを語る―ドマのストーリー 241
1.はじめに 242
2.ドマのライフ・ストーリー 244
3.ドマのフェミニズム 249
4.何がドマをフェミニストにしたか? 262
5.結論 269
終章 275
補論 消え去りゆく嫁盗り婚の現在――ヒマラヤ山地民の言説実践における「近代」との交叉をめぐって 287
1.問題の所在:消えゆく「女性への暴力」としての嫁盗り婚? 288
1.1.西欧人類学における嫁盗り婚をめぐる議論 289
1.2.ヨルモにおける嫁盗り婚 291
2.否定される嫁盗り婚:嫁盗り婚をめぐる一般的言説 293
3.なぜ嫁盗り婚は「否定される」のか?:言説の内容分析 301
3.1.「開発としての進歩」言説 302
3.2.「伝統に基づく進歩」言説 309
4.嫁盗り婚を否定する語りの遂行する行為 312
5.結論 322
初出一覧 324
あとがき 325
参考文献329
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