[目次]
凡例≒構成と注意 7
はじめに 9
1章 「戦後」のおわりと“Kaiju”のグローバル化 13
1-1 Wikipediaがうつしだす“Kaiju”のグローバル化と、その思想史的意義 14
1-2 「モンスター」概念の検討 23
2章 「怪獣の襲来」というモチーフの背景:被害者意識と加害者意識への言及の政治性 27
2-1 “Kaiju”の「基本」 28
2-2 破壊される都市の寓意と評論の政治性 33
【コラム2-1:初代ゴジラの「進路」】 54
【コラム2-2:核兵器時代初期の楽観主義ノート】 58
【コラム2-3:アメリカ国民の被害妄想】 59
【コラム2-4:ゴジラ解釈の迷走】 60
3章 アメリカ人のゴジラ受容 63
3-1 アメリカの大衆の知性 64
3-2 親日派アメリカ人に代表されるゴジラ受容 72
3-3 アメリカ人の「恐竜」幻想と怪獣 76
4章 B級SF映画を素材とした右派たちの恣意的解釈(戦争/軍備)と、大学人の懸念 81
4-1 右派層による、大衆文化への粘着と攻撃の背景としての恣意的解釈 82
4-2 ゴジラ作品が自明視する国軍 93
4-3 右派層による、ゆがんだ「戦争責任」論 98
4-4 大学人が危惧するゴジラ作品の変容 105
4-5 ゴジラ作品の軍事力讃美と右派の自慰的言動 109
【コラム4-1:とわれないヒロヒトの戦後の言動】 111
【コラム4-2:佐藤健志の「ウルトラ」シリーズへの粘着ぶりとナショナリズム】 113
【コラム4-3:佐藤健志ら右派による、マッドサイエンティストの正当化】 114
5章 ゴジラ/モスラに、かげさす安保体制 117
5-1 「ゴジラ」シリーズで、ひたかくしにされる在日米軍 118
5-2 モスラに、かげさす安保体制 120
5-3 徹底的にふせられる安保体制のかげ 124
【コラム5-1:えがかれた/えがかれなかった自衛軍や米軍の政治的含意】 128
【コラム5-2:こどもむけB級作品の含意】 130
【コラム5-3:核イメージの風化問題】 132
6章 「南方」幻想/南島イデオロギーとそのかたられかた 135
6-1 「南方から襲来する怪獣」という定番イメージの知的水脈 136
6-2 「南洋」からはずされる「琉球列島」 139
6-3 被差別者を母体とした特撮怪獣作品の重層的政治性 142
6-4 オリエンタリスティックな「スパイス」としての恣意的援用 148
【コラム6-1:ゴジラ映画から排除された大陸の政治的含意】 169
【コラム6-2:オリエンタリズムとしての金城哲夫論】 171
7章 特撮怪獣作品などの宿命と、その虚構ゆえの可能性 175
7-1 虚構のリアリズムと政治性 176
7-2 虚構と歴史意識のポリティクス 180
7-3 時空上の「対岸の火事」(ひとごと意識) 183
7-4 虚構=自由ゆえの取捨選択のポリティクス 186
【コラム7-1:『キングコング対ゴジラ』がてらしだす無自覚なレイシズムの伝染】 193
【コラム7-2:ゴジラ映画史にとって有害無益な本質主義】 194
みじかい終章 怪獣作品の寓意と怪獣論の政治性をとう意味 197
あとがき 207
参考文献 211
索引 218
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