[目次]
はじめに iii
1. 社会言語学のまなざし 1
まなざし@ ことばの「多様さ」に目を向ける 2
ある論文のタイトル 2
ことばの指標性 5
まなざしA ことばの「変化」に目を向ける 7
さまざまな言語研究における、ことばの「変化」への態度 7
ことばが変わるのではなく、ことばを変える 11
まなざしB 「みずからことばを選択する人びと」という話者モデル 14
ことばの「不自由さ」 14
「母語話者」というモデル 16
「選択する話者」モデル 20
選択のルールと話者 21
社会言語学者という「選択する話者」 23
まなざしC 「多言語社会」という社会モデル 24
身近な「多言語社会」 24
「言語」記述の多層性 27
言語によって分割されない社会、社会によって分割されない言語 29
「破片」としての言語 31
「まなざし」だけはもっている社会言語学 33
2. 社会言語学という「枠組み」 37
枠組み@ 言語と方言 37
「方言」へのまなざし 40
「標準語」と「方言」――「言語」の政治性 45
「言語」「方言」という枠組みによるまなざしの違い 48
「言語」であることの威信と主張 51
枠組みA さまざまなことばの「変異」――変異社会言語学 54
「ところ」だけではないことばの多様性 54
変異社会言語学の誕生56
変異社会言語学の調査法 58
言語変化と変異社会言語学 66
変異社会言語学の限界 68
「言語」と「社会」を切りはなすまなざし? 71
枠組みB 談話・発話――相手や場面ごとに異なる話しかた 76
スタイル・レジスター・ドメイン 76
「誰と」話すのか、そしてその周囲 79
話すための配慮と戦略――ポライトネス 82
「発話事象」「談話」「会話」研究の枠組み 85
3. 社会言語学の「知の回路」 93
回路@ 「ひとつの言語」を作りだす 94
「言語は計画できるのか?」という問い――ナショナリズムと言語 94
国家事業としての「言語計画」 97
「言語計画」から「こと活」へ?――「言語政策」の射程 103
「言語政策」の多言語性 111
回路A ダイグロシアとバイリンガリズム――「多言語社会」における言語使用 113
ダイグロシアの「発見」 113
ダイグロシアを打ちやぶる 117
バイリンガルとは誰か、バイリンガリズムとは何か 122
社会のバイリンガリズム 124
「バイリンガル」の種類とその測定 126
足し算のバイリンガル、引き算のバイリンガル 130
バイリンガルの言語行動――混淆する「言語」 134
バイリンガルをおそれるのは誰か 138
言語の混淆の「文法」 139
回路B グローバル化と多言語社会――多様なことばのありかたへ 142
ことばを数えはじめること 142
言語のエコロジー 144
多言語のエコノミー――言語の市場化、階層化、言語帝国主義 145
英語帝国主義とそのまなざし 149
「消滅の危機に瀕する言語」の問題とは何か 151
「ことばを使う権利」を問う 155
回路C おわりに――社会言語学の「知の回路」とは 160
4. 知の枠組みと回路のための11冊 163
知の枠組みのための6冊 163
知の回路のための5冊 165
あとがき 169 |