[目次]
はじめに 7
序章 「前ラファエッロ」という理想/喜多崎親 9
一 名称と様式 11
二 「前ラファエッロ」という様式概念 19
三 ラファエル前派とフランス 32
四 結び 41
第一章 ナザレ派におけるラファエッロとデューラー ――プフォルからコルネリウスへ/佐藤直樹 45
一 ナザレ派の生まれる時代精神 45
二 ナザレ派による友情という主題 51
三 鏡像としてのラファエッロとデューラー 63
四 結び ――ロマン派のアラベスク 74
第二章 思い描かれた中世 ――ナザレ派の芸術観/尾関幸 87
一 理想としての「中世」 87
二 文学的中世の発見 91
三 民族的英雄を求めて ――ナザレ派の歴史画 94
四 ナザレ派の中世観 109
五 芸術へと向かう三つの道 111
六 結び 114
第三章 聖化する未熟 ――一九世紀フランスにおけるフラ・アンジェリコ受容/喜多崎親 117
一 規範としてのフラ・アンジェリコ 117
二 フランスにおけるフラ・アンジェリコ評価史 121
三 模倣とその評価 137
四 結び 145
第四章 ラファエル前派兄弟団におけるプリミティヴィズム ――マテリアリティのリアリズム/山口惠里子 149
一 一八四〇年代のプリミティヴ芸術再評価 ――物質性の否定、精神性の称揚 152
二 混乱する「自然」 158
三 ハントの《リエンツィ》 ――「解放された目」のリアリズム 161
四 アルカイズムとリアリズムからなるプリミティヴィズム ――外的リアリズムと内的リアリティ 167
五 ロセッティの《聖母マリアの少女時代》 ――「モノ」の外的リアリティが喚起する宗教的感情 174
六 ジョン・エヴェレット・ミレイ《イザベラ》 ――身体のリアリティ 190
七 結び ――プリミティヴィズムとマテリアリズム 199
第五章 「ラファエル前派」の三段階 ――イギリスにおけるイタリア初期ルネサンス美術の受容/堀川麗子 209
一 「第三次ラファエル前派」とは 209
二 ラファエル前派兄弟団のイタリア初期ルネサンス美術受容 213
三 バーン=ジョーンズのイタリア初期ルネサンス美術受容 215
四 「第三次ラファエル前派」のイタリア初期ルネサンス美術受容 224
五 結び 228
第六章 アントニオ・ビアンキーニ「諸芸術における純粋主義について」 ――翻訳と解題/松原知生 233
翻訳「諸芸術における純粋主義について」 233
解題 241
第七章 純粋主義の変貌 ――アレッサンドロ・フランキとアンティノーリ家礼拝堂/甲斐教行 247
一 アンティノー家礼拝堂装飾 253
二 純粋主義の変化 ――ムッシーニとグァスティ 257
三 新たな純粋主義者としてのフランキ 263
四 アンティノーリ家礼拝堂とプラトニズム 265
五 結び 278
あとがき 287
索引 1
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