中空の彫刻

ポール・ゴーギャンの立体作品に関する研究

[著]廣田治子

魅惑的なゴーギャン彫刻の創作原理とは何か。
ゴーギャンは彫刻(陶器そして木彫)に、もはやヴォリュームを必要とせず、装飾性に富む「表面」こそが表現の場となった。19世紀芸術の諸問題と深く関係しつつ、20世紀彫刻の源流となったその革新的彫刻の霊感源を探る。[カラー図版多数収録]

[書評・紹介]
《図書新聞》2020年5月9日号、評者:稲賀繁美氏
「美術の窓」2020年7月号

定価=本体 7,000円+税
2020年3月31日/A5判上製/476頁/ISBN978-4-88303-506-9


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[目次]

序論 ―ゴーギャンの立体作品が提起する問題について  9

本書の構成  16

第一部 一九世紀における「画家=彫刻家」と「芸術家=職人」の登場                    
   第一章 「画家=彫刻家」について ―新パラゴーネの様相  21
      1  概観  21
      2  絵画と彫刻  ― ルネサンスにおける優劣比較論争から一九世紀における連携へ  26
      3  絵画、彫刻の自律性の追究  41
   第二章 「芸術家=職人」について ―芸術のヒエラルキーの揺らぎ  67
      1  背景  ― 装飾芸術の復興  67
      2  彫刻と陶磁器  ― 新しい芸術形態の誕生  75
      3  b器と木彫  ― 民衆芸術に息づいていた素材の復活と「素材の尊重」  87

第二部 ゴーギャンの立体作品                                      
   第一章 初期の彫刻(一八七七〜一八八五年)  95
      1  彫刻との出会い  95
      2  初期作品  ― さまざまな試み  101
   第二章 最初の陶器(一八八六年秋〜一八八七年初頭)  126
      1  作陶への取り組みの第一歩  126
      2  アヴィランドのアトリエ(ブロメ街製造所)との関係  131
      3  さまざまな形態構造と装飾原理  147
   第三章 彫刻的陶器への発展と民衆的木彫の発見(一八八七年末〜一八八八年末)  180
      1  状況  ― マルティニーク島滞在  180
      2  形態と色彩の新しい概念  183
      3  陶器から彫刻へ  192
      4  「グロテスク」  ― 曖昧さの美学と奇怪で滑稽な表現  209
      5  木彫  ― 民衆芸術とエルネスト・ポンティエ・ド・シャマイヤール  221
   第四章 陶製彫刻と木彫浮彫(一八八九年と一八九〇年)  233
      1  状況  233
      2  自己の探究1  ― 感じ易い「自我」とその過去  239
      3  自己の探究2  ― 原初的「自我」と哲学的グロテスク  249
      4  b器におけるいくつかの彫刻的表現  ― ジャン・カリエスとの関係を中心に  263
      5  ロダンとの関係に関する仮説  273
      6  木彫浮彫  286
   第五章 タヒチ滞在(一八九一〜一八九三年)とパリ帰還(一八九三〜一八九五年)  294
   ―木彫偶像と究極的陶製彫刻
      1  状況  294
      2  木彫  296
      3  《オヴィリ》1  314
      4  《オヴィリ》2  ― その彫刻史上の位置  324
   第六章 タヒチからマルケーサスへ(一八九五〜一九〇三年) ―最後の木彫作品  331
      1  状況  331
      2  文化的総合  334
      3  《逸楽の家》  343

結語  359
      1  木彫と陶器  359
      2  親密な環境における彫刻  ― 自律的彫刻への道  361
      3  ゴーギャンからピカソへ  364

あとがき  372

註  1
主要参考文献  64
人名索引  79
写真クレジット  88
引用図版出典一覧  90


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