[目次]
序論 ―ゴーギャンの立体作品が提起する問題について 9
本書の構成 16
第一部 一九世紀における「画家=彫刻家」と「芸術家=職人」の登場
第一章 「画家=彫刻家」について ―新パラゴーネの様相 21
1 概観 21
2 絵画と彫刻 ― ルネサンスにおける優劣比較論争から一九世紀における連携へ 26
3 絵画、彫刻の自律性の追究 41
第二章 「芸術家=職人」について ―芸術のヒエラルキーの揺らぎ 67
1 背景 ― 装飾芸術の復興 67
2 彫刻と陶磁器 ― 新しい芸術形態の誕生 75
3 b器と木彫 ― 民衆芸術に息づいていた素材の復活と「素材の尊重」 87
第二部 ゴーギャンの立体作品
第一章 初期の彫刻(一八七七〜一八八五年) 95
1 彫刻との出会い 95
2 初期作品 ― さまざまな試み 101
第二章 最初の陶器(一八八六年秋〜一八八七年初頭) 126
1 作陶への取り組みの第一歩 126
2 アヴィランドのアトリエ(ブロメ街製造所)との関係 131
3 さまざまな形態構造と装飾原理 147
第三章 彫刻的陶器への発展と民衆的木彫の発見(一八八七年末〜一八八八年末) 180
1 状況 ― マルティニーク島滞在 180
2 形態と色彩の新しい概念 183
3 陶器から彫刻へ 192
4 「グロテスク」 ― 曖昧さの美学と奇怪で滑稽な表現 209
5 木彫 ― 民衆芸術とエルネスト・ポンティエ・ド・シャマイヤール 221
第四章 陶製彫刻と木彫浮彫(一八八九年と一八九〇年) 233
1 状況 233
2 自己の探究1 ― 感じ易い「自我」とその過去 239
3 自己の探究2 ― 原初的「自我」と哲学的グロテスク 249
4 b器におけるいくつかの彫刻的表現 ― ジャン・カリエスとの関係を中心に 263
5 ロダンとの関係に関する仮説 273
6 木彫浮彫 286
第五章 タヒチ滞在(一八九一〜一八九三年)とパリ帰還(一八九三〜一八九五年) 294
―木彫偶像と究極的陶製彫刻
1 状況 294
2 木彫 296
3 《オヴィリ》1 314
4 《オヴィリ》2 ― その彫刻史上の位置 324
第六章 タヒチからマルケーサスへ(一八九五〜一九〇三年) ―最後の木彫作品 331
1 状況 331
2 文化的総合 334
3 《逸楽の家》 343
結語 359
1 木彫と陶器 359
2 親密な環境における彫刻 ― 自律的彫刻への道 361
3 ゴーギャンからピカソへ 364
あとがき 372
註 1
主要参考文献 64
人名索引 79
写真クレジット 88
引用図版出典一覧 90 |