近代日本文学史記述のハイブリッドな一起源

カール・フローレンツ『日本文学史』における日独の学術文化接触

[著者]馬場大介

日本のゲルマニスティクから投じられる一石が、明治時代の日独交流のリアルな様相を精緻に描き出す。日本のドイツ文学とドイツの日本学の開祖は、いかにしてドイツ語の日本文学史を書き上げたのか。その記述に基づき、日本人の研究協力を通じて、日独の学術的要素が混ざり合い変形していく知的なあり様を具体的に論じる。本書の波紋は、現代の日本文学研究の起源へと及ぶ。

定価=本体 3,200円+税
2020年12月20日/四六判並製/324頁/ISBN978-4-88303-519-9


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[目次]

序論  1
      補記  14
      註  17

第一章 カール・フローレンツの周辺  21
   第一節 日本とドイツにおける足跡  23
   第二節 日本人の協力による日本文学研究  51
   第三節 明治時代の日本文学史記述  63
      註  75

第二章 『日本文学史』の記述  87
   第一節 整合性を欠いた論点  89
   第二節 アナロギーの視点  97
   第三節 文明的進歩から文化的推移へ  108
   第四節 三種類の時代区分  118
   第五節 古代から七九四年まで  134
   第六節 平安時代  144
   第七節 鎌倉・室町時代  152
   第八節 徳川時代  160
   第九節 明治時代  169
      註  175

第三章 日独の学術文化  189
   第一節 ドイツ・ゲルマニスティク  191
   第二節 東洋言語研究  209
   第三節 明治時代の国学  225
      註  241

第四章 結 論  255

   あとがき  263

   文献一覧  xxx
   図版出典  xxix
   事項索引  xviii
   書名索引  xi
   人名索引  i


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